「論文も残さず “完食” しよう」

Y!ニュース・中原淳論文が読まれなくなっている!?・・・「研究のカプセル化」と「読者のいない論文」」(2014年2月26日)※論文はもともと研究者が自分のために書いているだけなので,他の読者に読まれるかどうかはどうでもいいこと.ジャーナルのインパクト・ファクターや研究者の h-index からは,どれくらい「引用されたか」を定量化することはできても,どれくらい「読まれたか」は見えてこない.その一方で,最近の学術誌は,読者が「論文を全部読まなくてもいいような技法」を次々と繰り出している.たとえば,アブストラクトと図表だけピックアップしたり,めんどうな materials and methods は小さい活字にして末尾に追いやったり,研究の詳細は online supplements に封印したり.「論文が読まれなくなっている」のは当然の帰結ではないだろうか.論文をまるごと読むのではなく,必要部分だけを切り出して “情報摂取” すればいいという風潮は読む側にも読ませる側にも広がっている.