『トウガラシ讃歌』

山本紀夫(編著)

(2010年4月25日刊行,八坂書房,東京, 16 color plates + 294 pp., 本体価格2,400円, ISBN:9784896949544目次版元ページ

全編にわたってトウガラシ一色.カプサイシンが漂ってくる.南米から始まったトウガラシ行脚はメキシコを経て旧大陸へ.スペイン,イタリア,ハンガリー,トルコ,そしてアフリカ大陸へと広がっていく.アフリカはエチオピア高原からタンザニアのピリピリを経て,東南アジアのトウガラシ王国タイへ上陸.さらにインドネシアからネパール,ブータンへ.日本で言う「山椒は小粒でもぴりりと辛い」に相当するインドネシアの格言に「小さくてもキダチトウガラシ」という言い方があるらしい.それくらいキダチトウガラシは強烈に辛いそうだ.タンザニアとかインドネシアとかでは,生でキダチトウガラシをかじるようで,ジモティでも “犠牲者” が少なくない.ネパールやブータンにはさらに強力なのが植わっているとか.ワタクシは辛いのはちょっと,なので,近寄らない方が身のためかも.あー,ひょっとしてキダチトウガラシって沖縄の「コーレーグースー」のアレのことか.次回オキナワに行く機会があったとしても,きっと体験しない方がいいだろう.最後は,ブータンから中国,チベット,韓国を経て日本にたどり着き,やっと読了.炎天下のトウガラシ本の歩き読みは修行と言うしかない.