『The Tree of Life: An Archaeological Study』

E. O. James

(1966,E. J. Brill, Leiden)



生命樹(the tree of life)とか宇宙樹(the cosmic tree)の発祥地は,メソポタミア文明が繁栄した〈近東〉の地であると著者は推測する.楔形文字で粘土板に刻みつけられたシュメール神話に出てくる,万物の起源としての「始原水(the primordial water)」が〈生命樹〉を育んだ神話的背景をなしているそうだ.近東の多くの社会で,樹のもつ〈聖性〉が神話化されているとのこと.