中尾佐助
(2005年12月25日刊行,北海道大学出版会[旧:北海道大学図書刊行会],ISBN:4832928910)
昨年末から順次刊行されている〈中尾佐助著作集〉(全6巻)の第5回配本.1990年に朝日新聞社から出版された『分類の発想』の復刻,および,その祖型にあたる論考「分類の論理」を含む論考や記事を集めた巻で,総計で800ページを越す大冊だ.なお,最終配本の第VI巻『照葉樹林文化論』は来年1月に出版予定.
【目次】第I部 分類の発想−−思考のルールをつくる
はじめに 3
第1章:分類の始まり 5
第2章:タクソンとクライテリオン 31
第3章:類型分類 73
第4章:規格分類 173
第5章:系譜分類 217
第6章:動的分類 295
終わりに−−総括と展望 305第II部 分類の論理
分類の論理 313
個体と集団−−生物の本性をさぐる 347
完全種の基本条件を考える−−生きている生物の社会から出発した概念規定 369第III部 文化と分類
農耕文化の要素とアレライゼーション 383
農業作物学的立場からみたスワヒリ語地域 397
日本人の味覚を採点する 401
人類文化史研究の立場からの栽培植物採集 411
生態系から離脱する人間 429
インドの山と森の信仰 443
日本文化の室町形成−−花卉園芸の発達を中心に 459
樹木の博物誌−−対談 文化資源としての〈樹〉 475
足踏包丁と胸突包丁 497
秋日,ディズニーランドをゆく 505
文化史的にみた医学−−照葉樹林文化との関連 519
民族植物学と文化複合 533第IV部 植物と分類
ドロボーの植物学−−民族植物学の体系 547
大陸の花の憶い出 553
ガネシュ・ヒマールの神秘−−科学のメスを待つ高山植物 565
中央アジアの植物界 569
人類は毒をうすめて食べてきた 589
有用植物を求めて 599第V部 フィールドと分類
フィールドノート論 613
資料写真の撮り方 619
ダルハン・オーラ 625
自然への復帰−−つねに人跡未踏の地を求めて 631
子どもとナチュラルヒストリー 637
思想の冒険 647
わが学術探検の楽しみ−−学問的新分野開拓への転換 661
河口慧海と堺−−探検と町人精神 673第VI部 分類の道具でみた論文と本
本について 697
分類の道具でみた論文 703
分類の道具でみた本 731解説 中尾さんの「分類」観(岩槻邦男)
「分類の論理」 780
本巻に収められた著作 784
中尾さんと私 787解題 789
あとがき 799
索引 [1-23]中尾佐助著作集〈月報5〉
書かれなかった「最終章」のこと−−中尾佐助の分類論と分類学について(三中信宏) 1
中尾資料の分類−−資料総目から著作集へ(山野美贊子) 5
文章と人柄(馬渡峻輔) 7