昨年完結した〈統計科学のフロンティア〉シリーズの後継企画〈確率と情報の科学〉シリーズ(岩波書店,2007年〜)の1冊として企画されている
【趣旨】「かたち」を定量的に解析する手法のひとつとして,近年「形態測定学(morphometrics)」という研究領域が確立されつつある.さまざまな学問分野を横断して生じる「かたち」を“定量的”に見るというこのアプローチの特徴は,それが個別科学(たとえば生物学・医学・考古学など),数学,そして統計科学の融合する領域で急速に進展しているという学際的性格を強く帯びていることにある.いま切り拓かれつつある形態測定学のヴィジョンを描き出し,「かたち」を分析するツールとしてどのように利用できるのかを概観する.