『Frida : A Biography of Frida Kahlo』

Hayden Herrera

(1983年刊行[2002年復刻],Perennial,ISBN:0060085894



500ページを越える本だが,伝記の好きなお国柄では大著ではないのかもしれない.

昨年の春,メキシコ・シティーに初めて来たとき,ベニート・ファレス国際空港内の書店にフリーダに関する本や画集がたくさん並んでいたことが印象に残っている.たまたまペーパーバックでのリプリントがあったので買うことにした.

フリーダ・カーロについては,メキシコ出身の画家という程度の断片的知識しかこれまでなかった.伝記を読むと,トロツキーやらイサム・ノグチやら国際的な人脈(異性関係)がとても華やかだったそうで,世評を集めることが多かったという.しかし,それ以上に,彼女の“病歴”は想像を越えている.これだけ physical にからだに病気やけがの影響が残っていれば,人生観や芸術にその“影”があるのも無理はない.というか,これだけの傷病経歴があればこそのフリーダか.