『最短経路の本:レナのふしぎな数学の旅』

P・グリッツマン,R・ブランデンベルク著(石田基広訳)

(2007年12月13日刊行,シュプリンガー・ジャパンISBN:9784431100119版元ページ



全編にわたってカラー図版を使いながら,最短グラフやスタイナー問題,そして最適グラフの分枝限定法や発見的探索が語られる.同じような内容の専門的な離散数学本はたくさんあるが,こんなスタイルの本が書けてしまうとは目からウロコが落ちる.万城目学『ホルモー六景』(2007年11月25日刊行,角川書店ISBN:9784048738149)の第二景「ローマ風の休日」に出てくる“鴨川の橋の問題”についてもっと知りたければ,迷わずこの本を読めばいいのだ.もちろん,系統推定論の樹形探索アルゴリズムの理解にも役立つだろう.