『四次元主義の哲学:持続と時間の存在論』

セオドア・サイダー(中山康雄監訳/小山虎・齋藤暢人・鈴木生郎訳)

(2007年10月25日刊行,春秋社[現代哲学への招待:Great Works], ISBN:9784393323137版元ページ



こてこての形而上学本.David Wiggins, Peter van Inwagen, Joseph Henry Woodger ら総登場.時間切片でのみ「実在」するという著者の考えは,Willi Hennig の character-bearing semaphoront とか,Daniel Rosa の filomero(=phylomer)と通じるのかな.新しい形而上学の本はつい最近まで日本ではまったく出版されなかったと訳者は言う.“時空ワーム”とか“メレオロジーニヒリズム”,そして“延続”,“耐続”という術語につい惹かれてしまう.




【目次】
日本語版への序文 i
謝辞 iii

序論 1

第1章 四次元的な世界像 21

第2章 現在主義への批判 37

  1 時間論における二つの問題――存在論と時制 37
  2 時間をまたいだ空間的関係 59
  3 真理メーカーに基づく反論 76
  4 現在主義と特殊相対論 86

第3章 三次元主義と四次元主義を規定する 107

  1 なぜ定式化にこだわるのか 108
  2 四次元主義を規定する 110
  3 三次元主義とは何か 123
  4 延続、耐続、現在主義、永久主義 131

第4章 四次元主義の擁護(1) 143

  1 節約に基づくラッセルの議論 144
  2 論理学に基づく議論 146
  3 時間のA理論は不整合である 149
  4 四次元主義と特殊相対論 151
  5 空間と時間は類比的である 163
  6 一時的内在性質の問題 170
  7 風変わりな可能性に基づく議論 180
  8 時空に基づく議論 198
  9 曖昧性に基づく議論 212

第5章 四次元主義の擁護(2)一致のパラドックスについての、もっとも優れた統一理論 251

  1 一致の脅威 252
  2 ワーム説と一致 271
  3 一致する三次元的対象 273
  4 バークの優勢性に基づく説明 286
  5 一時的同一性 292
  6 消去主義 313
  7 メレオロジー本質主義 319
  8 段階説 333

第6章 四次元主義に対する反論 371

  1 言語学的反論と認識論的反論 372
  2 変化の不可能性に基づく反論 375
  3 いかれた形而上学 382
  4 様相に基づく議論 385
  5 均質な物体の運動 395

監訳者解説 417
用語解説 424
あとがき 434
参考文献 [10-25]
索引 [1-9]