『日本語・琉球諸語による 歴史比較言語学』目次

平子達也、五十嵐陽介、トマ・ペラール
(2024年3月19日刊行、岩波書店、東京, xii+144 pp., 本体価格3,600円, ISBN: 978-4-00-025677-3 → 版元ページ


【目次】
まえがき v

第1章 言語史研究における比較方法の位置づけ 1

 1.1 最も古い文献に在証されるものが言語的に古いとは限らない 1
 1.2 諸方言を上代語の子孫と考えることの問題 4
  1.2.1 古典作品の本文批判と原文復元を例に 6
  1.2.2 言語の場合 8
  1.2.3 言語変化に関する前提 11
 1.3 日本語史を文献資料のみによって研究することの問題 12
 1.4 文献以前の日本語の歴史を明らかにする 13

第2章 言語変化 17

 2.1 言語は変化する 17
 2.2 音の変化 18
  2.2.1 音変化とは何か? 18
  2.2.2 条件変化と無条件変化 20
  2.2.3 音声変化と音韻変化 21
  2.2.4 音変化の類型 22
  2.2.5 音韻変化 32
  2.2.6 連鎖推移 35
 2.3 語彙の変化 36
  2.3.1 派生と複合 36
  2.3.2 借用:漢語・外来語 36
 2.4 類推・再分析 38
 2.5 統語変化 40
 2.6 意味変化 41

第3章 比較方法 45

 3.1 比較言語学とは 45
  3.1.1 比較言語学の目的 45
  3.1.2 祖語の再建は虚構ではなく仮説 46
  3.1.3 記録のない時代の言語を再建する 47
 3.2 系統関係の確立 50
  3.2.1 言語間の歴史的なつながり:系統関係と借用関係 50
  3.2.2 音対応 52
  3.2.3 音変化の規則性 56
 3.3 日琉語族と他の諸言語との系統関係 57

第4章 内的再建 61

 4.1 異形態の交替 61
 4.2 内的再建の適用例 62
  4.2.1 連濁とハ行子音 62
  4.2.2 音便と清濁 64
  4.2.3 露出形と被覆形 66
 4.3 内的再建の限界 68
  4.3.1 過度の一般化 68
  4.3.2 内的再建と「発達史」観 70
 4.4 内的再建と比較方法 71

第5章 系統樹の推定 75

 5.1 類型分類と系統分類 75
 5.2 派生形質の共有に基づく系統分類 76
 5.3 距離行列法による「系統分類」 77
 5.4 琉球諸語の系統分類 79
 5.5 系統関係に由来する形質を見つけるには 83
 5.6 借用 84
 5.7 並行変化 85
 5.8 改新と保持の区別 88
 5.9 系統樹モデルの限界 89

第6章 祖語の再建 93

 6.1 音対応から再建される祖形と音変化 93
 6.2 琉球祖語*e,*oの再建 97
 6.3 日琉祖語*uiと*əiの再建 99
 6.4 日琉祖語*eと*oの再建 103

第7章 方言学的なアプローチと文献資料を用いた日本語史研究 109

 7.1 方言学・言語地理学における言語史の再建 109
  7.1.1 方言区画論:共時的分類として 109
  7.1.2 方言周圏論と言語地理学 111
  7.1.3 逆周圏論と並行変化の問題 113
  7.1.4 言語地理学と比較言語学の関係 117
 7.2 文献資料を用いた日本語史の研究 118
  7.2.1 文字から音声・音韻を推定する方法 118
  7.2.2 写本・校定・原文 121
  7.2.3 古語辞典における在証形と推定形 123
  7.2.4 影印の問題 124

 

参考文献 127
あとがき 135
索引 139