『オーケストラ:知りたかったことのすべて』目次

クリスチャン・メルラン[藤本優子・山田浩之訳]
(2020年2月17日刊行,みすず書房,東京, vi+541+55 pp., 本体価格6,000円, ISBN:978-4-622-08877-6版元ページ


【目次】
序文[リッカルド・ムーティ] 1
はじめに 5

第一部 オーケストラの奏者たち

1 れっきとした職業 10
2 さまざまな型 55
3 楽団員になるには 95
4 社会学 119
5 オーケストラの女性たち 131
6 生涯の道筋 143
7 歯車が止まるとき 169

第二部 構造化された共同体

1 組織と序列 180
2 弦楽器 195
3 木管楽器 246
4 金管楽器 308
5 ティンパニ 370
6 打楽器 392
7 ハープ 409
8 例外的な楽器 419
9 配置 422

第三部 指揮者との関係

1 指揮者の役目 436
2 オーケストラを前にした指揮者 466
3 指揮者を前にしたオーケストラ 505


訳者あとがき 537
付録
 1 主要オーケストラ略歴 [39-42]
 2 世界の主要400オーケストラ、国別一覧 [42-55]
出典 [35-38]
楽団名索引 [29-34]
人名索引 [1-28]

『進化のからくり:現代のダーウィンたちの物語』目次

千葉聡
(2020年2月20日刊行,講談社ブルーバックス・B2125],東京, 262 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-06-518721-0版元ページ


【目次】
まえがき 3
第1章 不毛な島でモッキンバードの歌を聞く 13
第2章 聖なる皇帝 34
第3章 ひとりぼっちのジェレミー 51
第4章 進化学者のやる気は謎の多さに比例する 69
第5章 進化学者のやる気は好奇心の多さに比例する 88
第6章 恋愛なんて無駄とか言わないで 110
第7章 ギレスピー教授の講義 128
第8章 ギレスピー教授の贈り物 143
第9章 ロストワールド 159
第10章 深い河 173
第11章 エンドレスサマー 189
第12章 過去には敬意を、未来には希望を 207
第13章 グローバルはローカルにあり 227
あとがき 246
参考文献 [259-247]
索引 [262-260]

『銀河の片隅で科学夜話:物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異』

全卓樹
(2020年2月10日刊行,朝日出版社,東京, 190 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-255-01167-7版元ページ

大手町で釣り上げた本書は別途ご恵贈いただいた.科学エッセイ新刊.このちょっとフシギな読後感とカラーイラストとの絶妙な混ざり具合は既視感があるなあ.本書はワタクシが20年も前に読んだクラフト・エヴィング商會の一連の筑摩書房エッセイ集:『どこかにいってしまったものたち』(1997年),『クラウド・コレクター』(1998年),『ないもの、あります』(2001年)を思い出させる.

『酒場の京都学』目次

加藤政洋
(2020年1月30日刊行,ミネルヴァ書房,京都, xiv+232+ii pp., 本体価格2,500円, ISBN:978-4-623-08802-7版元ページ

京都の酒場文化のなかでもとりわけ “仄暗い” エリアである「裏寺町」がクローズアップされていて,ワタクシ的にはあっという間に惹き込まれるのだった.


【目次】
はしがき i
凡例 xii
図表出所一覧 xiii

序章 裏町の酒場から 1

 1 宣伝酒場のなごり 2
 2 空間を足して割って 5
 3 裏町の風景 9
 4 本書の構成 11

第1章 〈茶屋酒〉の系譜学 15

 1 「夜毎に変る枕の数々」──谷崎潤一郎の経験 16
 2 名所における酒食の光景 19
 3 明治期の「酒場」 29
 4 酒場の系譜 34

第2章 酒場の登場 41

 1 学生文化と飲食店 42
 2 三高生の酒場 51
 3 社会問題化するカフエー 58
 4 昭和京都の飲み歩き 69

第3章 洋食酒場と花街 87

 1 三高生と女給 88
 2 四条通のカフエー 92
 3 明治京都の西洋料理屋 100
 4 古川ロッパの「色町洋食」論 109
 5 花街と〈場所の力〉 119

第4章 歓楽街の誕生 127

 1 歓楽街とはなにか 128
 2 「風俗営業」の取り締まりと歓楽街 131
 3 歓楽街の分布 138
 4 裏町「歓楽街」の成立 142
 5 変わりゆく花街 149
 6 「歓楽街」成立の地理的基盤 159

第5章 《裏寺町》の空間文化誌 169

 1 「ぼんや」をめぐる語り 170
 2 東西〈都〉の酒場風景 183
 3 《裏寺町》の正宗ホール 191
 4 戦後《裏寺町》の風景 201

終章 〈会館〉という迷宮 219

 1 集合建築としての〈会館〉 220
 2 〈会館〉の出現とひろがり 223
 3 都市の無意識──〈会館〉の立地と空間性 225


あとがき 231
店舗名等索引 [ii]
人名索引 [i]

参考:立命館大学アート・リサーチセンター〈近代京都オーバーレイマップ

『SS先史遺産研究所アーネンエルベ:ナチスのアーリア帝国構想と狂気の学術』目次

ミヒャエル・H・カーター[森貴史監訳|北原博・溝井裕一・横道誠・舩津景子・福永耕人訳]
(2020年2月29日刊行,ヒカルランド,東京, 797 pp., 本体価格9,000円, ISBN:978-4-86471-827-1版元ページ

つくばに着弾した “破格” のブツ.よくぞ出したなあ.ナチス親衛隊(SS)の国家的研究機関〈アーネンエルベ〉は第2次世界大戦中のドイツでの進化生物学の歴史をたどるときには方々で出くわす.ワタクシの『系統体系学の世界』にもアーネンエルベは登場している.第1章「第一幕:薄明の前史 —— 1930年代から1960年代まで」の「第四景:ドイツ体系学の系譜 —— 体系の重み 1931〜1966」でナチス・ドイツ時代の進化生物学を論じた(pp. 97-101).アーネンエルベ所属の進化学者たちの話を取り上げた.たとえば,ドイツ版進化的総合を成し遂げた論文集『生物の進化(Die Evolution der Organismen)』(1943)の編者ゲルハルト・へベラー(Gerhard Heberer)は〈アーネンエルベ〉所属だった.


【目次】
凡例 6
ヨーロッパ全体図 8
ドイツ国内図 10
組織図 11

 

まえがき 14

 

第1章 アーネンエルベ協会の創立 1935年 19
第2章 初期アーネンエルベの学術研究 1935‒1937年 62
第3章 拡張期のアーネンエルベ 1937‒1939年 97
第4章 第2次世界大戦までの研究業績 ‒1939年9月 152
第5章 文化政策における警察機能 199
第6章 ドイツ国境を越えた文化政策 239
第7章 戦時下の学術研究 318
第8章 アーネンエルベの軍事研究 384
第9章 戦時中の文化政策の強制的同一化措置 450
第10章 危機 514
第11章 望んだものと現実と 590

 

第2版へのあとがき 601
監訳者解説 612

 

年表 [625-620]
原注 [752-626]
図版出典一覧 [755-753]
参考文献 [783-756]
略語一覧 [786-784]
索引 [791-787]
人名索引 [795-792]

 

訳者一覧 [797-796]

 

本書は厚さ800ページで9000円.挑戦的な価格設定ではあるがけっして高くはないだろう.さて,誰がこの本を手にするのだろうか.参考情報:ななつのほしぞら「学術と妄想が融合するとき何が起こるか?2月6日新刊『SS先史遺産研究所アーネンエルベ』ご紹介!」(2020年1月18日).

『確率と哲学』目次

ティモシー・チルダーズ[宮部賢志監訳|芦屋雄高訳]
(2020年1月30日刊行,九夏社,東京, 325 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-909240-03-3版元ページ

確率の科学哲学本といえば,ワタクシの手元にはドナルド・ギリース[中山智香子訳]『確率の哲学理論』(2004年11月15日刊行,日本経済評論社ポスト・ケインジアン叢書・第33巻],東京,xiv+343 pp., ISBN:4-8188-1703-1)しかないので,ほんとうに久しぶりの新刊ということになる.


【目次】
はじめに 4

第1章 確率と相対頻度 17

 1.1 イントロダクション 18
 1.2 フォン・ミーゼスの相対頻度解釈 19
 1.3 コルモゴロフと相対頻度 53
 1.4 有限頻度解釈 63
 1.5 結論 64

第2章 傾向説とその他の物理的確率 65

 2.1 傾向解釈の構成要素 67
 2.2 傾向解釈の問題点 71
 2.3 結論 88

第3章 主観的確率 93

 3.1 イントロダクション 94
 3.2 ダッチブック論証 95
 3.3 主観的確率の適用 110
 3.4 ダッチブック論証の問題点 129
 3.5 見込みからの確率 141
 3.6 選好性からの確率 146
 3.7 信念の度合いと確率を結びつけるその他の論証 153
 3.8 ベイズ主義は主観的すぎるのか? 154
 3.9 ベイズ主義は柔軟すぎるのか? 十分に柔軟ではないのか? 164
 3.10 結論 166

第4章 主観的確率と客観的確率 167

 4.1 直接推論の原理 168
 4.2 頻度への賭け 170
 4.3 主要原理 173
 4.4 可換性 181
 4.5 結論 185

第5章 古典的解釈と論理的解釈 187

 5.1 確率の起源 —— 古典的理論 188
 5.2 無差別の原理の問題点 195
 5.3 ケインズの論理的解釈 203
 5.4 カルナップ 209
 5.5 結論 216

第6章 最大エントロピー原理 217

 6.1 ビットと情報 218
 6.2 最大エントロピー原理 223
 6.3 最大エントロピーとワイン–水のパラドクス 233
 6.4 言語依存性 235
 6.5 論理的制約としての最大エントロピー原理の正当化 243
 6.6 結論 249

 

補遺 251

 A.0 基本的事項 252
 A.1 公理 255
 A.2 測度,確率測度 257
 A.3 確率変数 266
 A.4 組み合わせ論 268
 A.5 大数の法則 271
 A.6 主観的確率と関連するトピック 279
 A.7 デュエムクワイン問題,言語,形而上学 287

 

謝辞 292
監訳者あとがき 295
参考文献 300
欧文索引 312
和文索引 316