『風景と記憶』

サイモン・シャーマ

(2005年2月28日刊行,河出書房新社ISBN:4309255167



第4章「緑の十字架」を読了.舞台はアメリカに移る.セコイア巨木発見のエピソードから始まり,異教的な樹木崇拝の底流の上にかぶさるキリスト教の「十字架の樹」の広がり,そしてゴシック建築様式の展開を論じ,最後に本書を象徴するカスパー・ダーフィット・フリードリッヒの絵画作品にすべての話題を集約させる.著者の筆力を感じさせるエンディングだ.

P. 266に載っているハインリッヒ・フォークテールの〈信仰の木〉という絵が気になる.

—— やっと第1部「森」を通り抜けた.ここまでで約300ページ.次は,第2部「水」.