『ベイズ統計データ分析:R & WinBUGS』

古谷知之

(2008年9月15日刊行,朝倉書店[統計ライブラリー],viii+195 pp.,ISBN:9784254126983版元ページ



ベイジアンMCMCの計算ツールとして広く用いられている〈WinBUGS〉の解説書.Rとの連携が実例(経済データがほとんど)をもとに具体的に解説されている.古典的なベイズ統計学の理論から始まって,マルコフ連鎖モンテカルロの基本の説明をした上で,回帰モデルなどの連続変量に関する古典的な事例と離散選択モデル(ロジット,プロビットなど)やマルチレベルモデルなどのGLMでの適用例が続く.通読すると役に立つ教科書だろう.ただし,Rについては読者がすでに知っていることを前提にしているようなので,スクリプトの細かい説明はまったくない.Rユーザーが〈R2WinBUGS〉パッケージを利用して〈WinBUGS〉を利用するためのマニュアルとして読むのが妥当なのだろう.なお,上記の版元ページからは関連ファイル(RスクリプトとBUGSコード)をダウンロードできる.