『蘭学三昧』

杉本つとむ

(2009年4月10日刊行,皓星社,iv + 533 pp., 本体価格4,800円, ISBN:9784774404349目次版元ページ

蘭学」の新刊だし,著者は「杉本つとむ」だし,おまけにとてもナイスな造本だし(このご時世に「函入り」とは!),といういくつかの理由により,迷わずゲットしました.著者の傘寿記念本とのことで,日本における蘭学史に関するエッセイ集.500ページもある本をざっとブラウズしたかぎりでは,科学史博物学史への言及もかなり多い.図版もたくさん載っていてきっとお買い得にちがいない.

『解体新書』の挿絵を描いた秋田蘭画派の小田野直武については本書でも言及されている.彼の伝記:鷲尾厚『解体新書と小田野直武』(1980年5月1日刊行,翠楊社[郷土の研究1],ISBNなし/1039-04011-3736 → 目次|復刻:2006年8月刊行,無明舎出版ISBN:4895444384版元ページ)はずっと前から手元にあったのだが,つい最近,小田野直武の絵画論が新刊で出たことを知った:今橋理子秋田蘭画の近代:小田野直武「不忍池図」を読む』(2009年4月刊行,東京大学出版会ISBN:9784130802123版元ページ).

—— ところで,皓星社さん,『蒐書日誌』の続刊はまだでしょうか? 最後の「第四巻」が2003年に出てからもう6年が過ぎようとしています.そろそろ「第五巻」をよろしく.