『Untersuchungen zur Morphologie und Systematik der Vögel, zugleich ein Beitrag zur Anatomie der Stütz- und Bewegungsorgane. II. Allgemeiner Theil: Resultate und Reflexion auf morphologischer Gebiete; Systematische Ergebnisse und Folgerungen』

Max Fürbringer

1888年刊行,Verlag von T. J. Van Holkema,Amsterdam / Verlag von Gustav Fischer, Jena,S. 835-1751 + 30 Tafeln → 紹介下巻目次

下巻(『総論』)は鳥類全体の系統分類体系の構築.巻末に付けられている30葉の彩色図版の大半は鳥類の解剖図だが最後の3葉は系統樹.この図版がほしいために本書を苦労して入手したようなものだ.Robert J. O'Hara の論文で見て以来ずっと気になっていた.Tafel XXVII と XXVIII は三次元的にイメージされた系統樹のオモテとウラを2葉の図版にしている(Tafel XXVIIIの全体像.原寸はA2サイズ).続く Tafel XXIX a-b と Tafel XXX(→ 全体像.原寸はA3サイズ)は系統樹を,異なる時間平面で切断した射影図として「分類体系」の二次元マップ化をもくろんでいる.系統樹の「切断面」が各分類群に対応する.三次元系統樹を異なる時空平面で切断し,切断面の切り口をもって系統的分類体系とみなすという考え方.これだけ詳細にわたる「系統」と「分類」の相互関係をみごとに図像化した例は他には見当たらない.その意味で〈系統樹曼荼羅〉プロジェクトの重要なエントリーだ.いま進めている作業は,系統樹から分類マップへの「写像」の対応関係の確認.著者は「系統樹」という verticale Ansicht を「分類」として horizontale Projection することだと書いている.その後づけをおこなうということ.