三中信宏(文)・杉山久仁彦(図版)
(2012年刊行予定,NTT出版,東京,ca. 300 pp. → 趣意文|系統樹ウェブ曼荼羅[連載終了])
【詳細目次案[小見出し付き]】(2012年7月31日改訂)
プロローグ:世界を覆いつくす系統樹−−そのルーツを探る
1. チェイン,ツリー,ネットワーク
2. グラフィクス言語の起源
3. 体系化の慾望は「内なる声」である
4. 民俗分類を形成する環世界
第一部「生物樹」:多様な生物界の図像化
第1章 エルンスト・ヘッケルの生物時空系統樹(第1回連載)
1. ヘッケルと生命の樹
第2章 進化の樹:チャールズ・ダーウィンの末裔
1. ダーウィンと進化のダイアグラム
2. 描かれるダーウィン進化論
3. ダーウィンの系統樹は説明原理である
第3章 鎖と樹と網:系譜のとり得るかたち(第5回連載)
1. チェイン=存在の連鎖
2. ツリー=生命の樹
3. ネットワーク=広がる相関図
第4章 三次元系統樹のもつ新たなヴィジュアル性(第3回連載)
1. 系統樹の多次元化
2. 三次元化(1):ヒュルブリンガーの鳥類系統樹
3. 三次元化(2):ホートンの人類系統樹
第5章 分類体系は系統樹の時空的断面である(第4回連載)
1. 共時的な分類と通時的な系統:その相互関係
2. 時空ワームとしての多次元系統樹
3. 系統樹を時空的に切る
第6章 円から球へ:高次元系統樹を描く(第6回連載)
1. 三次元の立体系統樹
2. 球体系統樹とその断面
3. 高次元グラフィクスと可視化
第7章 文字テクストと図像パラテクスト
1. テクスト,パラテクスト,コンテクスト
2. 規則的な系統樹
2. 不規則的な系統樹
第二部「家系樹」:人間に直結する家系図
第8章 祖先の蔭に護られて:系統樹二千年の歴史をさかのぼる(第7回連載)
1. 神聖家系図:「エッサイの樹」とその図像学的系譜
2. フィオーレのヨアキムの「生成の樹」
3. 古代から中世にかけての家系図
第9章 家系図の図像学:生命の樹と唐草模様(第8回連載)
1. 家系図にからみつく生命の樹と唐草模様
2. 家系図を支える文化的・社会的基盤
3. 家系図から広がる中世の系統樹の図像世界
第10章 新大陸先住民の知識体系としての生命の樹(第9回連載)
1. オアハカに根づいた「生命の樹」
2. コルドバに広がる「地理系図」
3. 生命の樹と始元水,神話と創世記
4. マヤ・アステカの創世神話と世界樹
第11章 人間の綱:血のつながりを視覚化する図像的伝統(第10回連載)
1. イスラーム世界の家系図
2. 新大陸における家系図様式の変遷
第三部「万物樹」:森羅万象は系譜となる
第12章 知識の樹は枯れることなく生い茂る(第2回連載)
1. ルルスの「知識の樹」をルーツとして
2. 百科全書の時代と新たな「知識の樹」
第13章 体系と知識を可視化:存在の連鎖からマップへの道
1. 体系化の初期モデルとしての「存在の連鎖」
2. 博物学コレクションの体系化
3. ポルピュリオスの木:直線的チェインから複雑系ネットワークへ
4. 自然の「かたち」を写しとる図像
第14章 文化構築物としての写本の系統と進化(第11回連載)
1. 写本系図学:無生物の伝承と系譜の推定
2. ラハマン法の確立
3. 『カンタベリー物語』の系統推定プロジェクト
第15章 時空的に変遷するオブジェクトの系統樹(第12回連載)
1. 「変化を伴う由来」はあまねく作用する
2. 文化的構築物の系譜
3. 言語の系統樹
第16章 万物系統樹:姿変わればあまねく系譜あり
1. コンピューターの系統樹
2. 企業体の系統樹
3. 製品の系統樹
4. 架空生物の系統樹
5. 建築様式の系統樹
第17章 アートとしての系統樹
1. 系統樹は美しいか
2. 系統樹の背景世界観
3. 系統樹アート
エピローグ:曼荼羅鳥瞰−−系統樹を生みだす人間という存在
1. データ可視化,情報グラフィクス,系統樹曼荼羅
2. 図書分類と生物分類からみた情報視覚化
3. チェイン,ツリー,ネットワークを言葉として使いこなす
文献リスト
図版クレジット
索引