『鵼の碑』

京極夏彦
(2023年9月14日刊行,講談社講談社ノベルス・キF-21],東京, 830 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-06-515045-0版元ページ

800ページ超の鈍器本が夜の闇から現れた:「罔くとも在るが如し;在りても罔きが如し」.本書は,本シリーズの17年ぶりの新刊とのこと.ワタクシの手元にはその証拠がある.

シリーズ前著である京極夏彦邪魅の雫』(2006年9月26日刊行,講談社講談社ノベルス・キF-13],東京, 818 pp., 本体価格1,600円, ISBN:4-06-182438-4版元ページ)を確かめると,確かに17年の年月が経っている.巻末のシリーズリストを見ると,次回作として『鵼の碑』が挙げられている.かつての約束は確かに守られたのだ.拍手拍手.

四六判1200ページ超の単行本版『鵼の碑』も同時発売されたようだが,きっと本文も組版も著者自身による変更がなされているのだろう.しかし,やはりここはノベルス版を選ぶしかない.『鵼の碑』のオビ裏には “次回作” として『幽谷響の家』なる書名が予告されている.出版が17年後にならないことを祈るのみ.