新版が出たからといって,旧版の辞書を捨てるのは禁物.昔の辞書はその時代の “言語状況” を保存するツールなので,昔の本を読むときは昔の辞書が役に立つ.新しい版の辞書では対応できない場面がある.かつて,岩波『生物学辞典(第4版)』(1996年3月刊行,岩波書店)の進化・系統分野の項目選定委員をしていたとき,ワタクシは古めかしい「〜ゲネシス」系の項目を虱潰しに削除したことがある.岩波書店の編集者はそのとき「こういうことがあるので生物学辞典の旧版は保存してください」と一言.
『読む・打つ・書く』書評拾い(24)
三中信宏
(2021年6月15日刊行,東京大学出版会[東京大学出版会創立70周年記念出版],東京,xiv+349 pp., 本体価格2,800円(税込価格3,080円), ISBN:978-4-13-063376-5 → コンパニオン・サイト|版元ページ)
『銭躍る東シナ海:貨幣と贅沢の一五~一六世紀』
大田由紀夫
(2021年9月7日刊行,講談社[講談社選書メチエ・754],東京, 275 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-06-525245-1 → 版元ページ)
『「書体」が生まれる:ベントンと三省堂がひらいた文字デザイン』
雪朱里
(2021年9月20日刊行,三省堂,東京, 16 color plates + 313 + vi pp., 本体価格3,300円, ISBN:978-4-385-34915-2 → 版元ページ)
タイプフェイスとかタイポグラフィーの本にとても強く誘引される傾向があり,この新刊も反射的に発注してしまった.数々の歴史的写真が載っている.すばらしい.
『読む・打つ・書く』書評拾い(23)
三中信宏
(2021年6月15日刊行,東京大学出版会[東京大学出版会創立70周年記念出版],東京,xiv+349 pp., 本体価格2,800円(税込価格3,080円), ISBN:978-4-13-063376-5 → コンパニオン・サイト|版元ページ)
- @n0rr ツイート(2021年9月1日) https://twitter.com/n0rr/status/1432744507880001539 ※一日一万字はムリですねー.一日四千字も書ければ御の字かな.一日四百字でもOK.要は毎日飽くことなく “小石を積み上げる” こと.
- @isshonihon ツイート(2021年9月7日) https://twitter.com/isshonihon/status/1435050721221570561 ※どうもありがとうございます.ワタクシのコンパニオンサイトは,自著に関する出版後の興行イベント情報の周知,書評サンプリングリスト,文献リスト(オンライン版)などのまとめサイトとして公開しています.すべては自分のために手間ひまをかけています.
『口に入れるな、感染する!:危ない微生物による健康リスクを科学が明かす』
ポール・ドーソン,ブライアン・シェルドン[久保尚子訳]
(2021年9月25日刊行,インターシフト,東京, 235 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-7725-9573-2 → 版元ページ)
『すばらしい人体:あなたの体をめぐる知的冒険』
山本健人
(2021年8月31日刊行,ダイヤモンド社,東京, 折込図1葉 + 374 pp., 本体価格1,700円, ISBN:978-4-478-11327-1 → 版元ページ)
「網羅的な研究出力リストの効用」
若いうちから研究活動履歴としてのウェブサイトをつくり続けていれば,のちのち物忘れする年代になっても,漏れ落ちのない “ライフログ” として役に立ちます.論文リスト・学会発表リストを含めてすべて公開するように心がけると,結局は自分のためになるとワタクシは考えています.将来,いつかリタイアするときのためにも,完璧な「全業績リスト」を本人が前もって用意しておけばのちのちまで尊敬されるにちがいありません.
そのような網羅的リストはえてして長くなることがあるが,それはまったく問題ありません.むしろ長いことはいいことです.研究キャリアが長くなるにつれて,過去のこまごましたアウトプットの詳細を,他人はもちろんのこと,本人自身が思い出せないことがしばしばあります.そういう経験がワタクシにもありましたので,京大生態学研究センター所長だった川那部浩哉の方針に従い,網羅的に “出力リスト” をつくっています.ワタクシの場合,学部の卒論以降すべてのアウトプットを網羅的にリストアップして現在にいたりますが,現時点でテキストファイルにして274KBに達しています.ワタクシ自身は自分の出力の詳細はすっかり忘却していますが,リストがちゃんと覚えていてくれるので安心です.
年長の研究者の出力リストがとても長くなるのは当たり前です.そう見えるのは,まちがいなく「整数倍の威力」なので,研究キャリアが長くなれば誰でもアウトプットは単調に増加していくでしょう.研究上の “長期蓄積量” よりもむしろ “短期成長量” の方が大事ではないかとワタクシは思います.
『じゃりン子チエ 20』
はるき悦巳
(2021年9月12日刊行,双葉社[双葉文庫・は-04-73],東京, 本体価格800円, 460 pp., ISBN:978-4-575-72819-4 → 版元ページ)
『読む・打つ・書く』書評拾い(22)
三中信宏
(2021年6月15日刊行,東京大学出版会[東京大学出版会創立70周年記念出版],東京,xiv+349 pp., 本体価格2,800円(税込価格3,080円), ISBN:978-4-13-063376-5 → コンパニオン・サイト|版元ページ)
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