『チョウの生物学』

本田計一・加藤義臣(編)

(2005年8月26日刊行,東京大学出版会ISBN:4130602160



【目次】

はじめに i

第I部 種と多様性

第1章 系統と種分化(阿江 茂)3
 1.1 分類の現状 3
 1.2 遺伝と種間関係 7
 1.3 種の定義,進化学説,系統の解析 9
 1.4 種の形成,種の分化 15
 1.5 擬態と地理的変異,種内の多様性と進化 21
第2章 分子による系統研究(森中定治) 28
 2.1 分子系統研究の利点と方法 28
 2.2 チョウ目の系統学的位置,アゲハチョウ上科およびセセリチョウ上科 32
 2.3 アゲハチョウ科 34
 2.4 シロチョウ科 41
 2.5 マダラチョウ科 43
 2.6 ジャノメチョウ科 44
 2.7 ドクチョウ科 46
 2.8 タテハチョウ科 48
 2.9 シジミタテハ科,シジミチョウ科およびセセリチョウ科 52
 2.10 まとめ 55
第3章 形態と体色(加藤義臣) 64
 3.1 卵の形態 64
 3.2 幼虫の形態 66
 3.3 蛹の形態 71
 3.4 成虫の形態 73
 3.5 幼虫と蛹の体色 77
第4章 翅と斑紋(渡辺一雄) 90
 4.1 翅の構造と発生 90
 4.2 鱗粉 97
 4.3 斑紋プレパターンの形成 101
 4.4 斑紋形成と斑紋変動 108

第II部 発育と生理

第5章 栄養摂取と体内物質の動態(加藤義臣) 119
 5.1 栄養摂取 119
 5.2 代謝・排泄 126
 5.3 血液 135
 5.4 エネルギー消費と調節 142
第6章 感覚(蟻川謙太郎・木下充代) 153
 6.1 光感覚 153
 6.2 化学感覚 164
 6.3 機械感覚 168
第7章 成長と発育(加藤義臣) 174
 7.1 卵 175
 7.2 幼虫 183
 7.3 蛹 192
 7.4 幼生期の集合生活とその適応的意義 194
第8章 成長・発育(変態)のホルモン調節(遠藤克彦) 210
 8.1 ホルモン研究の歴史 210
 8.2 幼虫から幼虫への脱皮(幼虫脱皮)のホルモン調節 214
 8.3 幼虫から蛹への変態脱皮(蛹化)のホルモン調節 217
 8.4 幼虫・蛹の体色のホルモン調節 218
 8.5 成虫化のホルモン調節 219
 8.6 性成熟のホルモン調節 219

第III部 採餌と繁殖

第9章 成虫の採餌行動(本田計一) 227
 9.1 訪花行動 227
 9.2 樹液・果実などでの摂食 239
 9.3 排泄物・腐肉などでの摂食 241
 9.4 採餌行動の日周性 242
 9.5 食性と口吻の形態 242
 9.6 吸水行動 244
 9.7 薬物食性 245
第10章 食性と寄主選択(本田計一) 255
 10.1 寄主植物 256
 10.2 幼虫の摂食 261
 10.3 産卵 274
 10.4 寄主範囲と食性進化 287
第11章 配偶行動(本田計一) 302
 11.1 探雌行動 303
 11.2 求愛行動 312
 11.3 視覚情報による異性の認知 317
 11.4 化学情報による異性の認知 322
 11.5 発音行動 332
 11.6 近縁種における生殖隔離 332
 11.7 性選択 333
 11.8 交尾(接)とそれにともなう諸変化 336
第12章 繁殖の生態・生理(渡辺 守) 350
 12.1 繁殖行動の目的 350
 12.2 雄も雌も多回交尾する 351
 12.3 雌の戦略 354
 12.4 雄の戦略 364

第IV部 適応戦略

第13章 季節適応(加藤義臣・遠藤克彦) 379
 13.1 生活史のパターン 379
 13.2 休眠 380
 13.3 休眠以外の反応 391
 13.4 休眠のホルモン制御 392
 13.5 耐寒性 394
 13.6 季節型(季節的表現多型) 398
第14章 移動と分散(福田晴夫) 420
 14.1 移動とは何か 420
 14.2 移動と生活史の関わり 421
 14.3 移動の過程と仕組み 426
 14.4 分散 431
 14.5 移動性の進化 436
第15章 個体群の生活戦術(渡辺 守) 442
 15.1 個体群動態の研究史 442
 15.2 幼虫期の個体群動態 444
 15.3 成虫期の個体群動態 451
 15.4 メタ個体群と景観 458
第16章 防衛戦略(本田計一) 467
 16.1 擬態 467
 16.2 隠蔽戦術 478
 16.3 視覚・物理的効果を利用したほかの防衛手段 480
 16.4 化学防衛 483
 16.5 その他の防御戦術 492
第17章 ほかの生物との共生(加藤義臣・廣木眞達) 507
 17.1 アリとの関係 507
 17.2 共生微生物との関係 524

第V部 保全

第18章 保全研究の現状と対策(中村康弘) 543
 18.1 保全生物としてのチョウ類 543
 18.2 絶滅に瀕する種の現状 545
 18.3 衰亡の要因 546
 18.4 保全のための研究 547
 18.5 保全に関する取り組み 556
 18.6 チョウ類保全に向けての課題 561
第19章 環境評価と環境インパクト(田中 蕃) 567
 19.1 チョウによる環境評価法 567
 19.2 環境評価の実施例 575
 19.3 環境インパクト 577

おわりに(日高敏隆) 597
付録−生態写真撮影法(海野和男) 599
事項索引 607
生物名索引 620
執筆者協力者一覧 627
執筆者一覧 628