『ダーウィン前夜の進化論争』

松永俊男

(2005年12月20日刊行,名古屋大学出版会,ISBN:4815805296



【目次(詳細)】
まえがき i

 序章 一八四四年:進化論争の勃発 1
  1. 種の概念の確立 2
  2. フランス啓蒙思想とラマルク 3
  3. 「転成」と「進化」 5
  4. イギリスにおけるラマルク説 6
  5. エジンバラの先進性 9
  6. 『痕跡』と『足跡』の読まれ方 11
  7. 『種の起源』の登場 13

第I部 イギリスのラマルク

 第1章 ラマルクの進化論 16
  1. フランス啓蒙思想と進化論 16
  2. ラマルクの生涯と業績 20
  3. 『動物哲学』の進化論 23
  4. ラマルクの進化論の影響 29

 第2章 イギリスのラマルク派とラマルク批判 31
  1. ジェームソンの生涯と業績 31
  2. キュヴィエ著『地球の理論』のジェームソン注釈 34
  3. 一八二六年匿名論文「地質学の特徴と重要性についての所見」 38
  4. グラントの生涯と業績 42
  5. 「デザイン論」と「プランの一致論」 44
  6. グラントのラマルキズム 47
  7. フレミングの進化論批判 50
  8. ライエルのラマルク批判 52
  9. ラマルク批判の横行 58

第II部 『痕跡』と『足跡』

 第3章 チェンバーズと『痕跡』 62
  1. チェンバース立志伝 62
  2. チェンバースと骨相学 66
  3. 『痕跡』の執筆 68
  4. 『痕跡』の改版 71
  5. チェンバースの地質学研究 73
  6. 『痕跡』後のチェンバースと心霊主義 75
  7. 『痕跡』の内容 78

 第4章 『痕跡』の衝撃 87
  1. 発行部数と書評 87
  2. 匿名性 90
  3. 『痕跡』のさまざまな読まれ方 93
  4. 続出した『痕跡』批判 96

 第5章 スコットランド自由教会の科学者たち 104
  1. チャーマズの科学論 105
  2. ブルースターの自然神学 110
  3. フレミングの大洪水説批判 117
  4. 自由教会の『痕跡』批判 121
  5. 福音主義と科学 124

 第6章 ミラーの地質学 126
  1. 「一労働者による地質学の模索」(一八三八) 127
  2. 地質学研究の支援者たち 130
  3. イギリス科学振興協会一八四〇年グラスゴー大会 131
  4. チェンバースとの交流 133
  5. マーチソンと旧赤色砂岩 134
  6. 旧赤色砂岩の化石魚類 136
  7. 主著『旧赤色砂岩』の概要と特徴 140
  8. 『旧赤色砂岩』の進化論批判 144
  9. 『旧赤色砂岩』第三版の修正とロバート・ディック 146
  10. ミラー地質学の意義 148

 第7章 ミラーの反進化論−−『足跡』を中心に 151
  1. 一八四八年オークニー諸島探訪 151
  2. 『創造神の足跡』の概要 153
  3. 『創造神の足跡』第五版(一八六一) 160
  4. ブルースターの書評 163
  5. 『岩石の証言』 164
  6. 『創造神の足跡』と『岩石の証言』の受容 169
  7. チェンバースのミラー批判 171

第III部 ダーウィン前/後

 第8章 オーエンと進化論 174
  1. オーエンの生涯 175
  2. 一八三〇年代の転成論批判 177
  3. 『痕跡』に対するオーエンの反応 179
  4. 一八四九年『四肢の本性』の結論 181
  5. ダーウィン進化論への対応 182

 第9章 マイヴァートの動物学 188
  1. グルーバー以降のマイヴァート研究 188
  2. マイヴァート小伝 190
  3. マイヴァートの著作 193
  4. 霊長類学 194
  5. 脊椎動物の骨格 196
  6. 動物学の啓蒙と進化論 196
  7. 科学論 199

 第10章 マイヴァートのダーウィニズム批判 202
  1. 一八六九年の自然選択説批判 202
  2. 『種の誕生』の構成 204
  3. 列記された難点 206
  4. 『人間の由来』批判 211
  5. ダーウィン支持者ライトの反論 213
  6. ダーウィン本人の反論 215
  7. 持続したダーウィニズム批判 216

 終章 様々な進化論 219
  1. 『種の起源』の新しさ 219
  2. スペンサーの万物進化論 222
  3. さまざまな進化論・さまざまな創造論 225
  4. 日本の進化論 228
  5. 生物学の「進化」と常識の「進化」 231

 補論 明治のチェンバーズ−−『科学入門』と『博物新編補遺』をめぐって 233
  1. チェンバース『科学入門』と明治日本 233
  2. 『科学入門』の構成と諸版の比較 235
  3. 横浜印刷版『科学入門』 239
  4. 『科学入門』の内容 241
  5. 『科学入門』と骨相学 243
  6. 『科学入門』の図版 245
  7. 『博物新編補遺』の内容 246
  8. 『博物新編補遺』の原書 250
  9. 『博物新編補遺』と『博物新編』 251

あとがき 253
注 [4-25]
人名索引 [1-3]