三中信宏
(2010年9月25日刊行,日本放送出版協会[NHK Books: No. 1164],東京,265 pp.,本体価格1,100円, ISBN:9784140911648 → 版元ページ|コンパニオンサイト)
【詳細目次】
まえがき —— 呼び出される祖先 3序章:進化学の「源流」をたどる旅への出発 13
1.インターネットに生きるチャールズ・ダーウィン 13
2.図像世界を広げたエルンスト・ヘッケル 17
3.進化思考の起源:ダーウィンとヘッケルの背後にあるもの 21第1章:チャールズ・ダーウィンを取り巻く英国博物学の空気 29
1.チャールズ・ダーウィンはいかに生きたか 29
2.旅するナチュラリストたちは何を見たのか 31
3.イギリスの伝統的自然観とナチュラル・ヒストリー運動36第2章:エルンスト・ヘッケルとドイツ体系学の系譜 47
1.「万能酸」としての進化思想が及ぼした影響 47
2.エルンスト・ヘッケル,あるいは審美的自然観の伝統継承者 55
3.「Systema naturae」の栄枯盛衰:大陸的な体系学精神のゆくえ 69
4.体系のシンボル:分類と系統の図像学に向けて 76第3章:描かれる進化の図像:分類,系統,マップ,ネットワーク 89
1.バルトークの民謡分類とその博物学的精神 89
2.系図の起源と広がり:生命の樹,エッサイの樹,神聖系譜,写本ステマ,言語系統 93
3.二つの思考:世界観・レトリック・方法論 102
4.系統樹思考の系譜をたどる 109第4章:生物多様性を体系化する:時間軸と空間軸の可視化の試み 119
1.去る者日々に疎し:マクリーと五員環分類体系の時代 119
2.生物分類学から生物地理学へ:スウェインソンの挑戦 134
3.起源地を求めて:フォーブズと歴史生物地理学の黎明 139
4.対蹠地からの第二幕:生物多様性の時空的パターン分析 148第5章:体系思考と進化思考:存在と過程を探究する方法論 161
1.進化する科学の痕跡をとらえること 161
2.ヒトを取り巻く「環世界」と体系化の精神 164
3.パターンからプロセスへ:存在の探究,過程の探究 173
4.進化史の総体と進化子の動態 183第6章:21世紀の進化学と体系学:温故知新か偶像破壊か 193
1.系統情報学:系統樹思考に基づく生物情報学 194
2.サイバー分類学:インターネット時代の生物多様性情報学 203
3.パラメトリック系統学:統計科学としての系統推定論 210
4.科学哲学:進化的思考からみた科学方法論と科学論 219終章:系統樹なくしては何ものも意味をもたない 231
1.中心から周縁へ:進化生物学の歴史と系譜 232
2.表層から深層へ:進化的思考の起源と波及 237
3.分類,系統,進化:三位一体の想念 244
あとがき —— かき消せない進化 249
引用文献 252
索引 [265-261]