『枢密院議長の日記』

佐野眞一

(2007年10月20日刊行,講談社[現代新書1911],ISBN:9784062879118版元ページ



戦前戦中を通じ長年にわたって,「蝿頭の文字をもって記され」(p. 12)た日記を残した枢密院議長・倉富勇三郎の伝記.とにかく,書いて書いて書きまくったそうだ.うらやましい.著者も指摘するように,「倉富がなぜこれほど退屈で長大な日記を書いたのかという点」(p. 18)にぼくも関心がある.倉富は,日によっては400字詰にして50枚もの分量を書いたという.飽くことなき執念というか,ほとんどビョーキというか.※他人事ではないのだが…….




【目次】
[口絵図版 4 pp.]
序章 誰も読み通せなかった日記 9
第1章 宮中某重大事件 —— 怪文書をめぐる「噂の真相」 25
第2章 懊悩また懊悩 —— 倉富勇三郎の修行時代 85
第3章 朝鮮王族の事件簿 —— 黒衣が見た日韓併合裏面史 115
第4章 柳原白蓮騒動 —— 皇族・華族のスキャンダル 167
第5章 日記中毒者の生活と意見 —— 素顔の倉富勇三郎 247
第6章 有馬伯爵家の困った人びと —— 若殿様と三太夫 291
第7章 ロンドン海軍条約 —— 枢密院議長の栄光と無念 329
終章 倉富,故郷に帰る 391


あとがき 402
主要参考文献 406


解説・「倉富勇三郎日記」によせて(広瀬順皓) 408
倉富家略系図・倉富勇三郎寝年譜 423
人名索引 [430-426]