『What Is Biodiversity?』

James Maclaurin and Kim Sterelny

(2008年7月刊行,The University of Chicago Press,xii+217 pp.,ISBN:9780226500805 [hbk] / ISBN:9780226500812 [pbk] → 版元ページ

生物学哲学の側から見た「生物多様性」論.種概念や分類体系に関する論議,さらには形態的多様性や発生生物学からの論議,そして生物多様性の尺度(系統学的多様性とか遺伝的多様性),さらに保全生物学における価値論(「なぜ守るか?」)にいたるまで,「生き物が多様である」ことの意味をいくつもの切り口から論じている.少なくとも,生物学者が手に取る意欲が湧く論点が並んでいるという点で,同じ科学論者であるデヴィッド・タカーチが著した『生物多様性という名の革命』[狩野秀之・新妻昭夫・牧野俊一・山下恵子訳/岸由二解説](2006年3月20日刊行,日経BP社,東京,433 pp.,本体価格3,400円,ISBN:4822244865目次書評)よりははるかにいい本だと思う.