『化石の記憶:古生物学の歴史をさかのぼる』

矢島道子

(2008年10月10日刊行,東京大学出版会[Natural History Series],vii+219 pp.,本体価格3,200円,ISBN:9784130607513版元ページ

【目次】
はじめに i

第1章 化石とはなにか 1

1.1 化石に出会う 1
1.2 化石の定義 4
1.3 よく保存された化石 6
1.4 特殊な化石 9
1.5 生物か非生物か 12
1.6 「過去」ということば 17
1.7 遺跡・遺物・考古学 18
1.8 「波の化石」「雨の化石」「氷と隕石の化石」 20

第2章 化石をめぐる時間 23

2.1 「化石学」ではなく古生物学 23
2.2 化石と彊石 24
2.3 江戸の化石 27
2.4 化石と地層 35
2.5 地球の歴史 42
2.6 変化する復元像 54

第3章 日本にやってきた化石研究者 79

3.1 マリー・ストープス —— 植物化石研究の嚆矢 80
3.2 エドムント・ナウマン —— 最初の地質学教授 84
3.3 フランツ・ヒルゲンドルフ —— 初めての進化論義 88
3.4 フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト —— 19世紀の化石研究 92
3.5 エンゲルベルト・ケンペル —— 日本の化石を採集する? 95

第4章 近代的化石観のなかで —— 19世紀 100

4.1 カール・フォン・チッテル —— 世界中で使われた化石教科書 100
4.2 チャールズ・ダーウィン —— 進化論の提唱 106
4.3 研究者の夫人たち —— だれが絵を描くか 112
4.4 リチャード・オーウエン —— イギリスのキュヴィエ 116
4.5 ジョルジュ・キュヴィエ —— 比較解剖学の泰斗 120
4.6 バルザックと古生物学者たち 127

第5章 自然の遊び・自然の冗談 —— 18世紀 130

5.1 ヨハン・バーソロー・アダム・ベリンガー —— 星の化石・名前の化石 130
5.2 ジョルジュ・ルイ・クレール・ビュフォン —— すべてを記載する 135
5.3 カール・フォン・リンネ —— すべてを分類する 140
5.4 ヨハン・ショイヒツアー —— 大洪水を目撃した人間の化石 142

第6章 時を超えた天才 —— 16-17世紀 146

6.1 ロバート・フック —— 細胞とバネとアンモナイト 146
6.2 ニコラウス・ステノ —— 地層累重の法則 151
6.3 ゴットフリート・ライプニッツ —— ステノの学説を広める 155
6.4 キルヒャーとシッラ —— 形成力説と生物起源説 158
6.5 ガリレオ・ガリレイ —— そのなかまと仮説 163

第7章 混沌と黎明 —— 16世紀 167

7.1 ベルナール・パリシー —— 実際の観察から 167
7.2 コンラート・ゲスナー —— 最初の化石の絵 169
7.3 レオナルド・ダ・ヴィンチ —— 天才と時代の軛 173

第8章 すべての始まり —— 中世と古代 181

8.1 アリストテレスの考え 181
8.2 プリニウスとテオプラテスとアリストテレス 182
8.3 クセノパネス 185
8.4 ピラミッドとレンズ豆 186
8.5 中国と化石 190
8.6 石器時代の人々 191
8.7 中世や古代の化石観 192

第9章 化石の自然史 194

9.1 地球の時間のものさし 194
9.2 古生物学の歴史 197


参考文献 201
おわりに 211
人名索引 213
事項索引 217