『漢和辞典に訊け!』

円満字二郎

(2008年12月10日刊行,筑摩書房ちくま新書756],ISBN:9784480064622版元ページ

シンプルに漢和辞典を「読む」ための本.思い起こせば,ぼくが最初に漢和辞典を手にしたのは,小学生(中学生?)のときに買った『角川新字源』だった(この点では著者と同じだ).親字数は一万ほどあったと記憶している.中学から高校にかけては舊字體で文章を書いていたので,漢和辞典は手放せなかった.その後も厚めの漢和辞典を何冊か買い替えたが,漢和辞典へのこだわりはしだいに薄れていった.しかし,いまだに『諸橋大漢和』を全巻そろえなければという半ば強迫観念がときどき湧き上がってきてしかたがない.ちょっとはずれ気味の辞典フリークなのかもしれない.フトコロが十分に暖かく,収納スペースも十分にあれば,まちがいなく衝動買いしてしまうにちがいない.
本書は「漢字検定」受験者をターゲットにしているようだが(オビのコピーでは),ピュアな「漢字好き」読者にとっては得るものが多いだろう.また本書の巻末に「漢和辞典ガイド」がついているが,他書ではこういうのを見たことがない.さすが.