三中信宏
(2017年4月25日刊行,春秋社,東京, 6+316+23 pp., 本体価格2,500円, ISBN:9784393333556 → コンパニオン・サイト)
目次を含めて書誌情報がやっとすべて確定した.コンパニオン・サイトも公開.
【目次】
プロローグ 思考の体系化は「可視化」から始まる 3
1 天気図記号 ― 複数の情報を束ねるダイアグラムの基本機能 5
2 イデオグラフとメトログリフ ― ダイアグラムの試行錯誤 7
3 チャーノフの顔 ― ダイアグラムの視認性を改良する 13第1章 ダイアグラム博物館 ― 思考の体系化の歴史をたどる 19
1 画家ギヨーム・ヴルランが描いた家系図(15世紀ベルギー,ブルージュ) 20
2 作家ジョバンニ・ボッカチオが描いた神々の系図(14世紀イタリア,フィレンツェ) 23
3 修道士ランベールが描いた善悪の樹(12世紀フランス,サン=トメール) 26
4 法学者ジャック・キュジャスによる最古の系図表(9世紀フランス,トゥールーズ) 28
5 神学者フィオーレのヨアキムが描く歴史の樹(12世紀イタリア・フィオーレ) 31
6 画家ピエール・カタッチが描くメディチ家の系図(16世紀イタリア,フィレンツェ) 34
7 進化学者エルンスト・ヘッケルが描く生物の系統樹(19世紀ドイツ,イェナ) 36
8 進化学者エルンスト・ヘッケルが描く人類の進化地図(19世紀ドイツ,イェナ) 39
9 神学者ライムンドゥス・ルルスの知識の樹(13世紀スペイン,マヨルカ島) 42
10 百科全書派クレティエン・ロートが描いた知識の樹(18世紀フランス,パリ) 46
11 比較宗教学者ジェイムズ・フォーロングの世界宗教系譜(19世紀イギリス,ロンドン) 49第2章 知識の樹の体系 ― チェイン,ツリー,ネットワーク 55
1 関係の構造を可視化する ― 順序関係と順序集合 57
2 チェイン ― 全順序の一本鎖 69
3 ツリー ― 半順序の樹形構造 77
4 ネットワーク ― 非階層の網状構造 83インテルメッツォ(1) ― 「分ける」と「つなぐ」 89
1 ウィリアム・ヒューウェルの視点から 91
2 分ける分類科学,つなぐ古因科学 93
3 科学の分類と科学の営為 96第3章 分類思考と系統樹思考(1) ― 記憶術としてのカテゴリー化 101
1 分ける思考とつなぐ思考 101
2 類似性のメタファーと隣接性のメトニミー 109
3 分類の直感と論理 ― 数量分類学のクラスター分析を例として 114
〔1〕数値と分類 ― 統計学と分類学が接するとき 117
〔2〕クラスタリングの背後にある分類観 120
〔3〕全体的類似度とクラスタリング ― いくつかの計算例 122
〔4〕負けて勝つ ― 分類思考の方法としての数量分類学 135第4章 分類思考と系統樹思考(2) ― 分類から系統へ 139
1 距離尺度の計量性条件 140
2 樹形図による距離情報の頂点表現と経路表現 145
3 樹形性定理 ― 三角不等式のチューニング 150
〔1〕グロモフ積 ― 端点から内点をさぐる 150
〔2〕超計量性と相加性 ― 樹形図が描ける条件とは 159
4 X樹 ― 樹形ダイアグラム論の基礎 166第5章 分類思考と系統樹思考(3) ― 系統の断面としての分類 177
1 植物分類学者チャールズ・ベッシーの系統分類体系図(1894-1915) 179
2 動物比較形態学者アドルフ・ネフの観念論系統樹(1919-1933) 191
3 植物系統学者ヘルマン・ラムの系統学的ダイアグラム体系(1936) 200
4 動的分類学者早田文蔵の高次元ネットワーク(1921-1933) 207
5 動物行動学者コンラート・ローレンツの種間比較系統樹(1941) 215
6 まとめ ― 分類と系統の次元のきしみ 227インテルメッツォ(2) ― 見えないものを見る 233
1 分類するはヒトの常 ― ブレント・バーリンの民俗分類学の視点 234
2 部分から全体を構築する ― ヴィリ・ヘニックによる一般参照体系の復元 236
3 骨組みと肉付け ― 集合論とメレオロジーの対立をめぐって 242第6章 ダイアグラム思考 ― 既知から未知への架け橋として 247
1 集合から個物へ ― ネルソン・グッドマンによる類似性批判と個体公理論 250
2 メトニミーとアブダクション ― 痕跡解読型パラダイムの進化的起源 259
3 ダイアグラム論から見た統計グラフィクス 275エピローグ 思考・体系・ダイアグラム ― 科学と時代のはざまで 287
1 図像というパラテクストの威力 288
2 能力としてのヴィジュアル・リテラシー 294
3 ダイアグラム論 ― 科学と芸術の交わりのなかで 298
あとがきにかえて ― 先駆者たちの足跡をたどる旅路 305
文献リスト [9-23]
索引 [2-8]