中尾央・三中信宏(編著)
(2012年5月25日刊行,勁草書房, 東京, x+213+xi pp., 本体価格3,200円[税込価格3,360円], ISBN:9784326102167 → 版元ページ|コンパニオン・サイト)
5月16日,見本刷りがやっとつくばに着弾した.オンライン書店ではすでに近刊予約できるが,リアル書店の店頭に並ぶのは5月23日以降になるとのこと.
【詳細目次】
はじめに —— 分野を越境する方法論(中尾央) i
第1章:文化の過去を復元すること:文化進化のパターンとプロセス(中尾央) 1
生物・文化・進化 2
進化のパターンとプロセス 3
文化進化を研究すること 6
文化進化のパターンとプロセス 10
文化の過去と系統学/系統樹思考 —— 本書の構成 12
文化の過去を復元すること 13
注 14第2章:「百鬼夜行絵巻」写本の系統(山田奨治) 17
「百鬼夜行絵巻」をめぐる謎 18
絵巻の系統推定モデル 21
対象にした「百鬼夜行絵巻」 22
真珠庵本系統の復元 24
(真珠庵本+日文研本)系統の復元 28
「百鬼夜行絵巻」からみる文化の系統 30
文化進化学と文化学の接点 33
謝辞 34
図版出典 34
注 34第3章:『老葉』に対する系統学的アプローチ:宗祇による連歌の系譜(矢野環) 35
導入 —— 混態という困難に挑む 36
文献学と系統学の関係とその歴史 37
日本の近代文献学、数理文献学 39
土左日記 40
君台観左右帳記 41
池坊専応口伝 43
利休百会記 45
内裏名所百首 47
宗祇の『老葉』 50
写本の系統学 58
注 61第4章:系統比較法による仮説検定:社会・政治進化のパターンとプロセス(Thomas E. Currie/中尾央訳) 65
文化間比較のための系統樹 68
PCMとはどのようなものか 69
複雑な政治組織の進化 70
オーストロネシア語社会 71
進化の系列 73
祖先状態 75
共進化と変化率 76
文化系統学 —— 今後の展望 79
注 81第5章:19世紀擬洋風建築と G. クブラーの系統年代について(中谷礼仁) 85
はじめに —— 擬洋風建築について 86
系統年代“Systematic Age”という指標 —— G. クブラー『時のかたち』をめぐって 87
「擬」の本質 90
擬洋風のプライム・オブジェクトとシークエンス 91
擬洋風建築のシークエンスにおける二次媒体の役割 95
唐破風,ベランダはどこからきたか? —— 擬洋風建築を構成する各系統年代 99
塔はどこからきたか? 101
多角形表現はどこからきたか? 103
・ひながた書にみられる19世紀的折衷性 103
・幾何学という普遍 105
擬洋風における多角形塔屋の意味 —— 中込学校を事例として 107
『時のかたち』に掲載された唯一の図版についての見解 111
注 115第6章:文化の継承メカニズム:学ぶことと教えること(板倉昭二・中尾央) 119
比較認知発達科学の視点 120
学ぶこと/学習 —— さまざまな模倣 121
意図への敏感さ —— ロボットからの学習? 123
動物における模倣 126
誰から学ぶのか 127
学ぶことの比較認知発達 128
教えること/教育と文化の継承 129
教えることの発達 —— 心の理論との関係 130
動物社会における教育 —— 教えることの進化 131
ナチュラル・ペダゴジーとはなにか 134
ナチュラル・ペダゴジーの留意点 136
教えること/教育と文化系統 138
結び 139
注 140第7章:イメージの系統樹:アビ・ヴァールブルクのイコノロジー(田中純) 145
はじめに —— 美術誌からイメージの系譜学へ 146
ヴァールブルク研究のアクチュアリティ 148
「情念定型」とニンフ研究 149
図像アトラス「ムネモシュネ」 151
「ムネモシュネ」パネルAの関係ネットワーク 153
言葉・イメージ・情念 156
象徴的イメージをめぐる歴史心理学として 160
イメージの狩りにおけるアブダクション 165
おわりに —— 接ぎ木された系統樹 167
注 168第8章:文化系統学と系統樹思考:存在から生成を導くために(三中信宏) 171
はじめに —— 存在の様相としてのパターン,生成の過程としてのプロセス 172
進化オブジェクトの制約を越えて 174
収斂するパターン分析の方法論(1):生物体系学 176
収斂するパターン分析の方法論(2):写本系譜学 178
存在パターンと生成プロセスとの関係の公理化 182
生物体系学と写本系譜学における公理化の例 186
分岐図と系統樹:数学としてのパターン分析 189
おわりに —— オブジェクトに依存しないパターンとプロセスの解析 191
注 193
[BOX]パターン構造の代数的体系 183おわりに —— 系統樹思考の裾野の広がり(三中信宏) 201
どんなデータを用いて系統推定するか 202
ツリーか,ネットワークか 203
系統推定の方法論をどうするか 205
複数の系統樹を束ねるには 206
系統樹を踏まえてさらなる考察を進める 207
注 210文化系統学曼荼羅[三中信宏・作/宗像宏・デザイン] [213-212]
事項索引 [vi-ix]
人名索引 [iii-v]
執筆者略歴 [i-ii]