サイエンス誌科学コミュニケーション特集号 —— Science / AAAS | Special Issue | Communication in Science: Pressures and Predators | 04 October 2013.この特集に掲載された記事:John Bohannon | Who's Afraid of Peer Review? | Science 4 October 2013: Vol. 342 no. 6154 pp. 60-65. DOI: 10.1126/science.342.6154.60 が論議を呼んでいる:
- バイオ系研究室PC管理担当のメモ「オープンアクセス誌の玉石混淆ぶりが明るみに」(2013年10月5日)※「科学の中身をろくに見ないでアクセプトし、高い掲載料を投稿者に要求するなんてまったくひどい話だし、こんな物が放置されて生き残ってしまうのも腹立たしい」
- bjoern.brembs.net | Science Magazine rejects data, publishes anecdote | 4 October 2013.※「it should come as no surprise that Science Magazine publishes a news story on an ill-conducted sting operation, an anecdote without proper controls」― “おとり捜査” とは言い得て妙.
- 殺シ屋鬼司令「オープンアクセスのことは嫌いにならないでください!」(2013年10月5日)※「研究者でも、ScienceとかNatureの、「論文以外」の記事って読んだことある人って凄く少なかったりするのだろうか」.確かにそうかも.とくに,ひとつひとつの論文のみをダウンロードしていると,それ以外にどんな記事が載っているかを知る機会はきっとないだろう.
- ScienceNewsLine「ピアレビューなんて怖くない、嘘の論文を学術専門誌に投稿するとどうなるのか?」(2013年10月6日)※「オープンアクセスの学術専門誌の場合、ピアレビューを謳っている場合においても、むしろリジェクトされる方が珍しいとも述べている」
John Bohannon 記事のポイントは,内容的に明らかに瑕疵のあるええかげんな論文をわざと OA ジャーナル304誌に投稿したところ,半数を越える157誌が受理してしまったという “投稿実験” の報告だった.OA ジャーナルの査読体制と品質管理が甘すぎると結論されている.
「オープンアクセス雑誌の編集委員を引き受けたが,ぜんぜん投稿がない」とか「ジャーナルがまったく出版されていないみたい」という話は身近でも聞く.以前も情報クリップしたが:leeswijzer「Predatory academic open-access journal の脅威」(2013年4月12日),素性のアヤシい(しかも投稿料をふんだくるだけの) “predatory journal” はたくさんある.
Predatory academic OA journal については昨年の Nature にも警告記事が出ていた:Nature News | Predatory publishers are corrupting open access | Nature 489 | 179 | 13 September 2012 | doi:10.1038/489179a.この手の性悪ジャーナルのリストもつくられ,年々急速に増えていることがわかる:Scholarly Open Access: Critical analysis of scholarly open-access publishing.
—— John Bohannonの「投稿実験」は,明らかにかの「The Sokal Affair」の模倣だよねー.