『[図説]台湾の妖怪伝説』読了

何敬堯[甄易言訳]
(2022年6月26日刊行,原書房,東京, 333 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-562-07184-5目次版元ページ

台湾の妖怪といえば,かつて水木しげるが出した横長の図鑑:水木しげる水木しげるの世界妖怪事典』(1985年7月刊行,東京堂出版)にいくつか載っていた記憶がある.今回翻訳されたのは,台湾の “妖怪” (=「妖・鬼・神・怪」)についての詳細な論考だ.各項目ごとにカラー図版が付けられている.

日本が台湾を統治していた時代(「日治時代」)を含めて,この島にはさまざまなエスニシティーをもつ民族が入り混じり,その妖怪文化も多岐にわたっている.台湾先住民族はもちろん,この島に渡来した人々がもちこんできた妖怪たちは,ときには日本のそれと近縁だったり(奇景三十九「恐怖の童謡」は日本で言えば「コックリさん」に相当する),まったく別物だったりする.またたく間に読了してしまった.