ジョスリン・ゴドウィン[川島昭夫訳|澁澤龍彦・中野美代子・荒俣宏解説]
(2023年3月20日刊行,工作舎,東京, 341 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-87502-553-5 → 版元ページ)
https://leeswijzer.hatenadiary.com/entry/2023/05/23/081950
先日,町田市立国際版画美術館で開催されていた企画展〈自然という書物:15~19世紀のナチュラルヒストリー&アート〉のミュージアムショップでゲットした.
水色の旧版:ジョスリン・ゴドウィン[川島昭夫訳|澁澤龍彦・中野美代子・荒俣宏解説]『キルヒャーの世界図鑑:よみがえる普遍の夢』(1986年4月5日刊行,工作舎,東京,x+314 pp., ISBN:4-87502-115-1)はもちろん手元にあるが,掲載図版がよくなっているとのことで,これはもう買うしかないだろう.
もう十年以上も前のことだが,三田の慶應義塾図書館5F貴重書室で,アタナシウス・キルヒャーの著書『ノアの箱舟(Arca Noë)1675』と『エジプトのオイディプス(Oedipus Aegyptiacus)1652-54』の現物に触れたことがある(2010年6月16日の日録).
この貴重書室の入室に際しては,すべての所持品を預けなければならない.さらに,閲覧中のワタクシのすぐ背後には監視者?がふたり立ち会い,ただならぬ雰囲気を醸し出していた.羊皮紙の本をめくるのも緊張感が漂う.
キルヒャー本の該当箇所を事前にメモしておいたので,そのメモ用紙をズボンのポケットからごそごそ出そうとしたら,ほぼ同時に背後で立会人たちが「ガタッ!」と立つ臨戦態勢の物音が.ひょっとして “アーマライトM16” の銃口がワタクシに向けられたのだろうか.三田の鉄壁図書館は難攻不落なり.
【目次】
1 失われた知識の探求 11
第1章 遅れてきたルネサンス人 13第2章 綺想者の生涯 28
第3章 古代神学と比較宗教 47
2 万物遊覧 81
第1章 ノアの方舟:空想動物と分類学のこころみ 83第2章 バベルの塔:巨大建築と言語の史学 105
第3章 ラティウム:ラテン民族の原風景を訪ねて 123
第4章 中国:中国文明エジプト起源説 139
第5章 エジプトのオイディプス:神聖文字の解説と秘教の系譜 159
第6章 音楽:自動演奏機とコンピュータの初歩 184
第7章 普遍的魔術師:宇宙の磁石としての神 199
第8章 地下世界:火成論、自然発生説、反錬金術 223
3 アタナシウス・キルヒャー頌 245
第1章 略伝と驚異博物館 澁澤龍彦 247第2章 『シナ図説』の想像力 中野美代子 257
第3章 三人のキルヒャリアン:キルヒャー自然学の継承 荒俣宏 283
キルヒャー図像拾遺 301
[資料]アタナシウス・キルヒャーをめぐる参考文献一覧 321
訳者あとがき 333