『進化理論の構造 I・II』登攀記録(第3章)

ティーヴン・ジェイ・グールド[渡辺政隆訳]
(2021年11月20日刊行,工作舎,東京, 808 + 1,120 pp., 本体価格9,000円 [I]/11,000円 [II],ISBN:978-4-87502-534-4 [I] | ISBN:978-4-87502-535-1 [II] → 目次 [I]目次 [II]版元ページ [I]版元ページ [II]

第3章の登攀記録:2022年1月9日(日) ——

  • #進化理論の構造 第3章「階層理論の種子」(pp. 251-361)読了.進化理論の “階層構造” の概念史をたどった章.生物の遺伝メカニズムが知られていなかった時代に,チャールズ・ダーウィンはもちろん,アウグスト・ヴァイスマンの生殖質淘汰説もまた「階層化」への方向づけがなされていたと言う. posted at 14:52:43
  • #進化理論の構造 19世紀末のネオラマルキズムと闘ったヴァイスマンは「[自然淘汰の]階層論こそ,淘汰論者の原理に完全に根ざした進化理論で,しかも説明範囲の広い理論ならば中心に据えるしかない考え方であるとの認識に至ったのだ」(p. 325)という現在では忘れ去られている論点を掘り起こす. posted at 14:57:14
  • #進化理論の構造 第3章末尾の一文:「あまりにも多くの人が,良きダーウィン主義者になろうとしてきたのに,いつも階層論が割り込んできた意思がくじけてきた.私は言いたい.評価は低いがなくてはならない旧友を満面の笑みで迎えようと」(p. 361).さあ,続く第4章が満面の笑みで迎えてくれるか. posted at 15:00:45