『ひらく:生命科学から生命誌へ』

中村桂子
(2019年7月10日刊行,藤原書店中村桂子コレクション・いのち愛づる生命誌(全8巻)・第1巻],東京, 2 plates + 283 pp., 本体価格2,600円, ISBN:9784865782264版元ページ

前著:中村桂子あそぶ:12歳の生命誌』(2019年2月10日刊行,藤原書店中村桂子コレクション・いのち愛づる生命誌(全8巻)・第5巻],東京, 2 plates + 291 pp., 本体価格2,200円, ISBN:9784865781977版元ページ)の続刊.ご恵贈ありがとうございます.

『文化がヒトを進化させた:人類の繁栄と〈文化-遺伝子革命〉』目次

ジョセフ・ヘンリック[今西康子訳]
(2019年7月26日刊行,白楊社,東京, 605 pp., 本体価格3,600円, ISBN:9784826902113版元ページ

600ページ超.文化進化の新しい仮説を提唱しているという.


【目次】
はじめに 9
第1章 不可解な霊長類 19
第2章 それはヒトの知能にあらず 29
第3章 遭難したヨーロッパ人探検家たち 47
第4章 文化的な動物はいかにして作られたのか 64
第5章 大きな脳は何のために?――文化が奪った消化管 91
第6章 青い瞳の人がいるのはなぜか 129
第7章 信じて従う心の起源 148
第8章 プレスティージとドミナンス、生殖年齢を過ぎたあと 179
第9章 姻戚、近親相姦のタブー、儀式 213
第10章 文化進化を方向づけた集団間競争 251
第11章 自己家畜化 277
第12章 ヒトの集団脳 315
第13章 ルールを伴うコミュニケーションツール 344
第14章 脳の文化的適応と名誉ホルモン 387
第15章 人類がルビコン川を渡ったのはいつか 415
第16章 なぜ私たち人類なのか? 437
第17章 新しいタイプの動物 463

訳者あとがき 489
図版クレジット [494-493]
参考文献 [552-495]
註 [595-553]
索引 [605-596]

『視覚文化とデザイン:メディア、リソース、アーカイヴズ』目次

井口壽乃(編)
(2019年4月25日刊行,水声社,東京, 325 pp., 本体価格3,500円, ISBN:9784801004238版元ページ

アイソグラム,ピクトグラムタイポグラフィーなどなどがワタクシのアンテナに引っかかってきた.


【目次】
はじめに 5

I グラフィック理論の形成と越境 ―― 前期モダニズム

チェコスロヴァキアモダニズムアメリカへの越境 ―― ラディスラフ・ストナーのグラフィックデザイン(井口壽乃)
アイソタイプのアメリカへの越境 ―― 一九三〇年代のルドルフ・モドレイの活動を中心に(伊原久裕)
パーシー・ランド・ハンフリーズ社と越境のデザイナーたち ―― 一九三〇年代イギリスのモダニズム(菅靖子)
一九三〇年代イギリスにおけるニュー・タイポグラフィの導入(山本政幸)

II イメージの継承と還流――後期モダニズム

デザインの創造と継承 ―― 亀倉雄策にみる発想のためのイメージ・ソース(井口壽乃)
二〇世紀視覚言語の一系譜 ―― アイソタイプからピクトグラム標準化へ(伊原久裕)
活字書体デザインの再生と創造 ―― 第二次世界大戦後におけるグロテスク活字のリバイバル(山本政幸)
一九六〇年代後半のアメリカ西海岸におけるサイケデリック・ポスターの展開(山本政幸)

III 三次元イメージとグラフィズム

ホログラフィを用いた初期の芸術作品について(児玉幸子)
ポストモダン以降の新しいイメージ ―― ルディー・バーコートの軌跡(児玉幸子)

IV コレクションと展示――デザイン・リソース

デザイン資源が語ること ―― デザイン・アーカイヴズという不完全な歴史の形(菅靖子)
「デザイン資源」としての竹尾ポスター・コレクション(暮沢剛巳

初出一覧 323
編者/執筆者について 325

『できる研究者の科研費・学振申請書:採択される技術とコツ』目次

科研費.com
(2019年7月8日刊行,講談社,東京, iv+136 pp., 本体価格2,400円, ISBN:9784065165980版元ページ|〈科研費.com〉)

同名のウェブサイトの書籍化とのこと.


【目次】

第1章 はじめに 1

第2章 書く前に 3

2.1 なぜ書くのか 4
2.2 書く際の心得 6
2.3 うまいと得する申請書 8
2.4 何を研究するか 9

第3章 何を書くのか 13

3.1 何を書くのか 14
3.2 研究課題 16
3.3 背景 20
3.4 なぜ今その研究なのか 24
3.5 解決のアイデア・研究目的・研究計画 32
3.6 何がわかるのか 47

第4章 どう書くのか 51

4.1 どう書けば読み手に伝わるのか 52
4.2 読みやすく ─正しい日本語で審査員のストレスをなくす─ 53
4.3 わかりやすく ─論理的かつ説得力を持って説明する─ 64
4.4 美しく  ─細部にまでこだわり、無意識に働きかける─ 76
4.5 推敲や見直しでより良い申請書にする 90

第5章 申請書のヒント 93

5.1 オズボーンのチェックリスト 94
5.2 学振および科研費申請書などを公開しているサイト 検索の仕方 96
5.3 データベースの利用 98
5.4 そこそこテンプレート 101
5.5 粒度の粗いそこそこテンプレート 130
5.6 科研費.comのチェックリスト 134

第6章 おわりに 135

独り言 136

『心理学の7つの大罪:真の科学であるために私たちがすべきこと』読売新聞書評

クリス・チェインバーズ[大塚紳一郎訳]
(2019年4月1日刊行,みすず書房,東京, vi+330+xl pp., 本体価格4,400円, ISBN:9784622087885目次版元ページ

読売新聞大評が一般公開された:「統計学の原罪と救済 — 心理学の7つの大罪…クリス・チェインバーズ著 The Seven Deadly Sins of Psychology」(2019年7月14日掲載|2019年7月22日公開)



統計学の原罪と救済

 統計データ解析の界隈では、数年前から、これまで長らく使われてきた個々の解析手法ならびに一般的な研究ワークフローをめぐって論議の高まりが目につくようになった。本書の舞台である心理学はその“ホットスポット”のひとつだ。著者は近年の実験心理研究のあり方、とりわけデータの取り扱いをめぐる“後ろ暗い”行為の数々を指摘する。

 本書が列挙する心理学の「大罪」の最初の四つは統計解析に関わる。先入観に一致する証拠だけを集める「確証バイアス」の陥穽、統計的検定を悪用する「p値ハッキング」の大流行、有意な効果を見逃さない「検定力」の低さ、そしてデータが出たあとで仮説をこねまわす「HARK行為」という烙印を押される罪状が次々と暴かれる。これらの「問題含みの研究実践(QRPs)」は心理研究の再現可能性を大きく損ない、ひいては心理学の科学としての地位そのものを危うくすると著者は強く懸念する。

 残る三つの「大罪」はさらに深刻だ。データの恣意的な操作や捏造による「不正行為」の頻発、科学研究の「オープン・サイエンス化」への執拗な抵抗、そして「インパクト・ファクター」などの数値尺度による研究業績評価のでたらめさは、そのいずれをとっても、心理学に限らず、科学の全分野にあてはまる現代的病弊だ。

 著者は最終章でこれらの“原罪”に対する前向きな救済策を論じる。とくに、著者自身が推進してきた新たなシステムである「事前登録制」は、実験計画の事前審査を義務づけ、予期される“罪”の回避案としておおいに注目される。

 『心理学の……』と銘打たれているが、本書の潜在読者はもっと広い。なぜなら『真の科学であるために私たちがすべきこと』というサブタイトルは、分野を問わずすべての科学者ならびに科学に関心をもつ一般読者へのメッセージだからだ。大塚紳一郎訳。

三中信宏[進化生物学者]読売新聞書評(2019年7月14日掲載|2019年7月22日公開)

『ナチ 本の略奪』目次

アンデシュ・リデル[北條文緒・小林祐子訳]
(2019年7月16日刊行,国書刊行会,東京, 431 pp., 本体価格3,200円, ISBN:9784336063212版元ページ


【目次】
序章 7
第1章 世界を焼き尽くす炎 —— ベルリン 12
第2章 ベルリン市立図書館の亡霊たち —— ベルリン 27
第3章 ゲーテの槲 —— ワイマル 51
第4章 ヒムラーの蒐書 —— ミュンヘン 80 
第5章 エルサレムと闘う戦士 —— キーム湖 93 
第6章 イスラエルの苦難への慰撫 —— アムステルダム 119 
第7章 フリーメイソンの秘密の追跡 —— ハーグ 151
第8章 レーニンがここにいた —— パリ 169
第9章 蔵書の消失 —— ローマ 194
第10章 民族の破片 —— テサロニキ 215
第11章 製紙工場は本の墓地 —— ヴィリニュス 233
第12章 タルムード軍団 —— テレージェンシュタット 268
第13章 ユダヤ人不在のユダヤ研究 —— ラーティボーア〜フランクフルト 285
第14章 荷馬車一杯の靴 —— プラハ 307
第15章 本は家路を辿る —— ベルリン〜カノック 350


謝辞 383
訳者あとがき 387 
参考文献 [416-398]
索引 [431-417]

『日本現代怪異事典 副読本 』

朝里樹
(2019年6月28日刊行,笠間書院,東京, 315 pp., 本体価格1,800円, ISBN:9784305708786版元ページ

昨年出た:朝里樹(編)『日本現代怪異事典』(2018年1月17日刊行,笠間書院,東京, 500ページ, 本体価格2,200円, ISBN:9784305708595版元ページ)の “副読本”という位置づけ.前著は事典らしく文字ばっかりだったが,今回の “副読本” はカラーイラストもありヴィジュアルな仕上がりになっている.

『自然誌の窓から』目次

沼田眞著作集編纂委員会・中村俊彦(編)
(2019年4月21日刊行,学報社[沼田眞著作集・第1巻],東京, 1 plate + xii + 489 pp., 本体価格4,200円, ISBN:9784904079140


【目次】
口絵
「沼田眞著作集」編纂の序[大澤雅彦・中村俊彦] i
「自然誌の窓から」序[中村俊彦] iii

I. 月曜評論 —— 自然誌の窓 3
II. 多様性への視座 —— 植物のエコロジー 121
III. 植物たちの暮らし 148
IV. 雑草の研究 279
V. 世界の植生 291
VI. 自然保護の扉 322
VII. 博物館の役割とあり方 380
VIII. 絶筆「アレクサンダー・フォン・フンボルトの相観論と景相生態学」 395
IX.足跡の記録 406

自然誌の窓からの未来 —— あとがきとして[中村俊彦] 438
索引 447
コラム等著者紹介 487