スーザン・オーリアン[羽田詩津子訳]
(2019年11月25日刊行,早川書房,東京, 382 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-15-209894-8 → 版元ページ)
『普遍生物学:物理に宿る生命,生命の紡ぐ物理』
金子邦彦
(2019年10月21日刊行,東京大学出版会,東京, xiv+305 pp., 本体価格3,600円, ISBN:978-4-13-062620-0 → 版元ページ)
『京大吉田寮』
平林克己(写真)|宮西建礼・岡田裕子(文)
(2019年12月6日刊行,草思社,東京, 79 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-7942-2425-5 → 版元ページ|吉田寮記録プロジェクト)
おとといの大手町で網にかかった写真集.さくっと読了.これはもうヴィジュアル評候補にするしかない.なくなってしまった東大駒場寮とはちがって,ちゃんと寮生活が営まれている.ワタクシがかつて暮らした東大駒場寮の回想録:松本博文『東大駒場寮物語』(2015年12月10日刊行, 角川書店, 東京, 287pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-04-103277-0 → 書評|目次|版元ページ)を以前読んだけど,やっぱり関係者(旧寮生)の記憶の中にしか残っていないもんねえ.その点,今を生きている京大吉田寮とは大違い.
『地球外生物学:SF映画に「進化」を読む』
倉谷滋
(2019年11月20日刊行,工作舎,東京, 237 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-87502-515-3 → 版元ページ)
この倉谷本新刊はいただきものだが,昨日の大手町でも網にかかったので,新読書委員の某有名病理学者氏に「センセ,これやりません?」と強めに推した.
『野生動物問題への挑戦』
羽山伸一
(2019年11月5日刊行,東京大学出版会,東京, iv+169 pp., 本体価格2,700円, ISBN:978-4-13-062226-4 → 版元ページ)
『イヌの動物学〔第2版〕』
猪熊壽・遠藤秀紀
(2019年11月5日刊行,東京大学出版会[アニマルサイエンス・3],東京, iv+230 pp., 本体価格3,800円, ISBN:978-4-13-074023-4 → 版元ページ)
ご恵贈ありがとうございます.初版は2001年.
『正解は一つじゃない:子育てする動物たち』
齋藤慈子・平石界・久世濃子(編)|長谷川眞理子(監修)
(2019年10月31日刊行,東京大学出版会,東京, viii+337 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-13-063373-4 → 版元ページ)
『驚異の量子コンピュータ:宇宙最強マシンへの挑戦』
藤井啓祐
(2019年11月19日刊行,岩波書店[岩波科学ライブラリー・289],東京, xii+161 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-00-029689-2 → 版元ページ)
『在野研究ビギナーズ:勝手にはじめる研究生活』読売新聞書評
荒木優太(編著)(2019年9月1日刊行,明石書店,東京, 286 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-7503-4885-8 → 目次|版元ページ|特設ページ)
読売新聞の小評が公開された:三中信宏「在野研究ビギナーズ 勝手にはじめる研究生活…荒木優太編著」(2019年12月1日掲載|2019年12月9日公開)
研究者といえば、大学や研究機関などに所属し、“職業研究者”として給料をもらっていると思われがちだ。しかし、本書の「在野研究者」とは、他の仕事によって生計を立てながら、それと並行して研究を続ける人々を指している。
本書に寄稿している計15名ははっきり言えば「在野研究プロフェッショナル」たちである。その彼らがこれから歩みだそうとする「在野研究ビギナー」たちを念頭に編まれた本書は章それぞれに野心的であり、同時に現代社会の中で研究とはいかなる営為なのかを鋭く問いかけている。
ともすれば大きな研究チームを率いて高額の実験機器を駆使した“ビッグサイエンス”的研究が目立つニュースになりやすい。しかし、けっして大規模ではない在野研究が成果を挙げられる研究テーマも数多くある。そもそも、個々の研究者の中で「職業的/在野的」という境界線すらあいまいになることもあるだろう。こう考えれば、一般社会に蔓延する研究者のステレオタイプ像はがらがらと崩れてしまう。まるで万能酸のようにキケンきわまりないガイドブックだ。(明石書店、1800円)
三中信宏[進化生物学者]読売新聞書評(2019年12月1日掲載|2019年12月9日公開)
ワタクシの書評では,「在野研究者/職業研究者」という大きな対比軸とともに,在野研究者カテゴリー内での「ビギナー/プロフェッショナル」という小さな対比軸を示しました.研究者は誰もがこの二つの軸が張る連続的な “研究者平面” のどこかに位置するということです.野心的にしてキケンな本.なお,ワタクシが使おうが,ダニエル・デネットが使おうが,「万能酸」は “褒め言葉” 以外の何物でもない.