合田一道
(2020年6月10日刊行,藤原書店,東京, 323 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-86578-272-1 → 版元ページ)
『学問としての翻訳:『季刊翻訳』『翻訳の世界』とその時代』目次
佐藤=ロスベアグ・ナナ
(2020年4月30日刊行,みすず書房,東京, 205+xi pp., 本体価格4,500円, ISBN:978-4-622-08899-8 → 版元ページ)
『翻訳の世界』といえば別宮貞徳の名物コラム「欠陥翻訳時評」を即座に思い出す.あの頃の自然科学系翻訳書の中にはトンデモ本がときどきあった.ワタクシが修士の頃,スティーヴン・J・グールド『ニワトリの歯』の翻訳を手がけていたとき,「あのコラムで血祭りにされないような翻訳に仕上げないと」と共訳者の渡辺政隆さんと話していたこともあったなあ.
【目次】
はじめに 5
第1章 英国におけるトランスレーション・スタディーズの誕生 17
第2章 『季刊翻訳』『翻訳の世界』の時代と翻訳言説 27
1. 『季刊翻訳』一九七三–七五 31
2. 『月刊 翻訳の世界』『翻訳の世界』一九七六– 48
3. 『翻訳の世界』の一九八〇年代 77
4. 『翻訳の世界』の一九九〇年代 125
第3章 『翻訳の世界』にかかわった人々の言葉から――インタビュー 140
第4章 「トランスレーション・スタディーズ」の誕生? 174
第5章 現代日本における学問としての翻訳の混迷 185
おわりに――未来図 191
注 196
後記 203
参考文献 [iv-xi]
索引 [i-iii]
『地図とグラフで見る第2次世界大戦』
ジャン・ロペズ(監修)|ヴァンサン・ベルナール,ニコラ・オーバン(著)|ニコラ・ギルラ(データデザイン)[太田佐絵子訳]
(2020年5月30日刊行,原書房,東京, 195 pp., 本体価格8,000円, ISBN:978-4-562-05758-0 → 版元ページ)
まな板のように巨大なインフォグラフィックス本.
『Charles Darwin’s Barnacle and David Bowie’s Spider: How Scientific Names Celebrate Adventurers, Heroes, and Even a Few Scoundrels』
Stephen B. Heard
(2020年3月刊行,Yale University Press, New Haven, xii+241 pp., ISBN:978-0-300-23828-0 [hbk] → 版元ページ)
最近はほんとうに “生物名の新刊本” が多いなあ.
『印刷用紙サンプルBOOK』
デザインのひきだし編集部(編)
(2020年5月25日刊行,グラフィック社,東京, 4 pp. + 1表 + 202葉, 本体価格5,400円, ISBN:978-4-7661-3407-0 → 版元ページ)
「増刷絶対不可能な完全保存版です!」とのことなので,これはもう買うしかないでしょ.さらに言うなら,逆立ちしても “電子本” にはなりえない本.紙は神である.
『150年前の科学誌『NATURE』には何が書かれていたのか』目次
瀧澤美奈子
(2019年7月25日刊行,ベレ出版,東京, 293 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-86064-575-5 → 版元ページ)
本書は最近書評した『南方熊楠のロンドン』の前に読んでおくべきだった本.うっかり見落としてしまった.
【目次】
序 なぜ今、150年前の科学雑誌を読むのか(本書の目的) 9
第1章 nature創刊に託された思い 19
第2章 ヴィクトリアンの科学論争 43
第3章 150年前の科学 71
I 150年前の自然科学の概略 72
II ダーウィンはどのようにnatureに登場したか 93
III ヴィクトリア朝時代の華麗な科学者ティンダル 119
第4章 なぜ国が科学にお金を出すのか 127
第5章 女子の高等教育 ―「壁」を越えた女子医学生たち― 149
第6章 チャレンジャー号の世界一周探検航海 183
第7章 モースの大森貝塚 225
第8章 nature誌上に見る150年前の日本 245
I 近代化前の日本は 外国人にどう映ったのか 246
II 近代化を始めた日本 271
付録 初期のnatureに何度も載った日本人 289
南方熊楠と “ネーチュール” 290
寺田寅彦と “ネチュアー” 292
『生命はデジタルでできている:情報から見た新しい生命像』目次
田口善弘
(2020年5月20日刊行,講談社[講談社ブルーバックス・B-2136],東京, 222 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-06-519597-0 → 版元ページ)
大手町漁港直送本.「テンソルがー」とか出てきたら即死と身構えたが,情報処理系としてのゲノム=ディジオーム(digiome)の解説本.ホッ.
【目次】
はじめに 3
第1章 ゲノム —— 三八億年前に誕生した驚異のデジタル生命分子 11
第2章 RNAのすべて【トランスクリプトーム】—— タンパク質にならない核酸分子のミステリー 41
第3章 タンパクのすべて【プロテオーム】—— 組成を変えずに性質を変える魔法のツール 105
第4章 代謝物のすべて【メタボローム】—— 見逃されていた重要因子 157
第5章 マルチオミックス —— 立ちはだかるゲノムの暗黒大陸 181
おわりに 218
さくいん [222-220]
『京大吉田寮』読売新聞書評
平林克己(写真)|宮西建礼・岡田裕子(文)
(2019年12月6日刊行,草思社,東京, 79 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-7942-2425-5 → 版元ページ|吉田寮記録プロジェクト)
読売新聞ヴィジュアル評が公開された:三中信宏「平林克己・写真、宮西建礼、岡田裕子・文 「京大吉田寮」 」(2020年5月24日掲載|2020年6月1日公開)
洛東の京都大学吉田キャンパス南端にある吉田寮は1世紀を超える現存する日本最古の学生自治寮だ。このカラー写真集で初めて目にする読者は、まぎれもなく21世紀のいま営まれている日々のリアルな寮生活に、現実離れした異次元の気配を感じ取るだろう。
お世辞にもきれいとは言いがたい吉田寮では、国籍や性別を問わず年齢による分けへだてもなく、多くの寮生たちがともに学びそして巣立っていく。評者がかつて2年間暮らした東大駒場寮にも確かにこういう寮生活特有の猥雑さとざわめきと匂いがあったが、すでに取り壊されて跡形もなく、かすかな記憶に残るだけだ。京大吉田寮に出入りする学生たちのしなやかでたくましい姿は、裏を返せば“絶滅危惧”の瀬戸際に立つこの学生寮の危うい現状を映し出している。この吉田寮を今あえてなくす理由はどこにもないですよね、総長。(草思社、2000円)
三中信宏[進化生物学者]読売新聞書評(2020年5月24日掲載|2020年6月1日公開)
『大学教授が、「研究だけ」していると思ったら、大間違いだ!: 「不人気学科教授」奮闘記』
斎藤恭一
(2020年5月15日刊行,イースト・プレス,東京, 253 pp., 本体価格1,400円, ISBN:978-4-7816-1878-4 → 版元ページ)