『Ernst und Agnes Haeckel: Ein Briefwechsel』

Konrad Huschke (Hrsg.)
(1950年刊行, Urania-Verlag, Jena, 219 pp.)

一期一会を逃さずゲットした.Ernst Haeckel と彼の二番目の妻となった Agnes Haeckel との往復書簡集.このトークン本の由来は Nienburg のグラーフシャフト・ホーヤ博物館協会(Museumverein für Grafschaft Hoya)の除籍本.編者の Konrad Huschke は音楽学者で,Agnes の出自である Huschke 家の親族.第二次世界大戦直後のこの時期のドイツの本は紙質が絶悪だ.

『カフェ・シェヘラザード』

アーノルド・ゼイブル[菅野賢治訳]
(2020年8月10日刊行,共和国[境界の文学],東京, 317 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-907986-72-8版元ドットコム

共和国さん,ほんとうに困ります.こんな装幀で新刊を毎度毎度出された日には手に取ってナデナデするしかありません.撫で撫で〜

『現代思想2020年9月号・特集=統計学/データサイエンス』特集目次

(2020年9月1日刊行,青土社,東京, 本体価格1,600円, ISBN:978-4-7917-1403-2版元ページ


【特集目次】

討論

社会と科学のなかの統計学小島寛之三中信宏] 8

統計学をとらえる

二〇二〇年代の統計リテラシーを考える[神林博史] 22
「統計不信問題」から日本の統計史を考える[佐藤正広] 31
統計学思想試論[松王政浩] 26

ベイズの時代

今承認される「世界性の統計学」[松原望] 44

〈データ〉が息づく場所

データの多様な相貌[福島真人] 64
数をめぐるダイナミクス[鈴木舞] 74
データサイエンスとして観たアクチュアリー学史[鈴木真治] 83
エビデンス」の奇妙な増殖[松村一志] 94
エビデンスに基づく教育」の可能性と現在[寺沢拓敬] 104

身体と「測ること」

ウィズコロナ時代の統計学[竹村彰通] 114
感染者数とは何か[浜田明範] 118
疫病と酸っぱい葡萄[羅芝賢] 129
生き生きとしたデータ[北中淳子] 140

横断と越境の歴史

統計学と数学との関係[赤平昌文] 145
心理学と統計[サトウタツヤ] 154
マクスウェルの統計的知識と自由意志[稲葉肇] 164
Rが自由ソフトウェアであること[喜多千草] 175

数値が見せる社会

コトバの知と数量の知[佐藤俊樹] 184
家族社会学における量的研究と質的研究[長田夏来] 194
差別の「エビデンス」は示しうるか[永吉希久子] 203

データサイエンスの哲学

データを用いて語るときに、私たちがしていること[朱喜哲] 211
人工知能言語化不可能なもの[百木漠] 222

『都市で進化する生物たち: “ダーウィン” が街にやってくる』

メノ・スヒルトハウゼン[岸由二・小宮繁訳]
(2020年8月18日刊行,草思社,東京, 335+14 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-7942-2459-0版元ページ

都市環境に入りこんでたくましく進化する生物たちの物語.この著者は数年前に:メノ・スヒルトハウゼン[田沢恭子訳]『ダーウィンの覗き穴:性的器官はいかに進化したか』(2016年1月25日刊行,早川書房,東京, 340 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-15-209596-1版元ページ)という本を出しているが,ワタクシにはさらにその前の:Menno Schilthuizen『Frogs, Flies, and Dandelions: The Making of Species』(2001年刊行, Oxford University Press, Oxford, vi+245 pp., ISBN:0-19-850393-8 [hbk])の方が印象にある.

『わさびの日本史』

山根京子
(2020年8月20日刊行,文一総合出版,東京, viii+240+32 pp., 本体価格2,500円, ISBN:978-4-8299-7233-5版元ページ

日本にワサビが来た道をたどる.先週の大手町漁港でひときわ鮮烈な山葵の色と香りを漂わせていた新刊.栽培植物起源学の本だが,同時に民俗植物学・食文化史学の内容も.