『Population Genetics and Microevolutionary Theory』

Alan R. Templeton

(2006年9月刊行刊行,Wiley-Liss,ISBN:0471409510 [hbk])



『集団遺伝学と小進化理論』.斯界の御大が満を持して電話帳をものしたということでしょうか.700ページ超.厚過ぎっ.→版元ページ著者サイトAmazonでは高すぎるので,Aliblisにて新刊を2割引にてすでに注文した.Alibris からの着便が最近遅れ気味だが,米国内での荷物検査が律速段階になっているのかな?(よう知らんけど)


『チャリング・クロス街84番地:書物を愛する人のための本』

ヘレーン・ハンフ(江藤淳訳)

1984年10月10日刊行,中公文庫,ISBN:4122011639



ぼくが最初にこの作品を目にしたのは,たしか『リーダーズ・ダイジェスト』の抄録?だった記憶がある.原書は1970年の出版だそうなので,ぼくが中学に入った頃のことだろうか.その後,翻訳は文庫で買ったが,引っ越しのばたばたでゆくえ知れずになってしまったので,またまた買い求める(2002年9月25日刊行の第8刷).いまこの本を読めば,きっとちがった読後感があるだろう.なんといっても,昔は,ここに取り上げられているさまざまな古書や稀覯本がいったいいかなる価値があるのかがぜんぜんわからなかったので.


『さらば学校英語 実践翻訳の技術』

別宮貞徳

(2006年12月10日刊行,ちくま学芸文庫ISBN:4480090282



かつて同じ著者が名著『誤訳迷訳欠陥翻訳』シリーズを出していた頃は(1980年代),まかりまちがってもベック先生の無情な鉄槌が振り下ろされないような“ちゃんとした翻訳”を世に出すことが一つの品質管理基準になっていた.実際,この悪訳糾弾シリーズには頻繁に自然科学系の翻訳書が俎上に上がっていたので,それはけっして他人事ではなかった.その刷り込みはいまだに効力を保っている.下手な訳文が読者に及ぼす被害を考えれば,その訳者は断罪されなければならないというぼくの意識はほかならないベック先生から植え付けられたものだ.


『神秘のカバラー』

D・フォーチュン

(1985年10月30日刊行,国書刊行会[世界幻想文学大系40], ISBN:なし)



誰がどう弁護しようが,いわゆるひとつの“オカルト本”だよねえ.「西洋の秘教の伝統の修行者」(p. 13)だの,「物質界の征服を霊的向上の使命として」(p. 16)だの,「隠された栄光の三十二の神秘的小径」(p. 23)だの,という表現がいたるところにある.アレクサンドル・スクリャービンルドルフ・シュタイナーの大好きなアナタは,ほれ,こういう“オカルト本”を胸に抱いて逝きなさいな.あ,もちろん,とあるアニメが好きな方々にもぴったりか.