『ブダペストの古本屋』

徳永康元

(1982年4月刊行,恒文社,ISBN:4-7704-0486-7

黒田龍之助千野栄一というスラヴ言語学者-エッセイストの〈スラヴ脈〉をたどれば,当然その先には「徳永康元」という“祖先”がいる.ここ数日,黒田本をつっついたおかげかどうか,長らく探していた「徳永三部作」の最後の1冊がやっと入手できそうな気配.きょう久しぶりにネット検索してみたら,静岡県のある古書店で売りに出ていた.だいぶ高い価格だが,ブツが入手できるのであれば文句はまったくありません.さっそく注文メールを出す.さて返事はどーでしょう? ※さんざん空しく探しまわった末の〈スラヴ脈〉のご利益ありやなしや?

 

−−夜遅くなって,古書店から連絡メールあり:「すでに売れていました」とのこと.くー,またもダメだったか.『ブダペストの古本屋』,これだけ探しまわってもブツに出会えないとはねー.Webcat をチェックしても,国内で所蔵している館は100に達していない.数々の賞を取ったはずの本にしてはサーキュレーションが悪いというかなんというか.こういうとき,あくまでも「〈モノ〉としての本」にこだわる蒐書家とはいえないワタクシは,あっさりとどこかの所蔵館から館外借出してとりあえずは読んでしまおうか,ついでに必要箇所はコピーしてしまおうか,などという次善の策を考え始めたりしている.「〈情報〉としての本」ですむことも多々あるので.