『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』

三中信宏

(2006年7月20日刊行予定,講談社[現代新書1849], ISBN:4061498495



【目次】

プロローグ:祖先からのイコン――躍動する「生命の樹

第1節:あれは偶然のことだったのか...

第2節:進化的思考――生物を遍く照らす光として

第3節:系統樹的思考――「樹」は知の世界をまたぐ

第4節:メビウスの輪――さて,これから彷徨いましょうか……

第1章:「歴史」としての系統樹――科学の対象としての歴史の復権

第1節:歴史はしょせん闇の中なのか?

第2節:科学と科学哲学を隔てる壁,科学と科学を隔てる壁

第3節:アブダクション:真実なき探索――歪んだガラスを覗きこむ

第4節:タイプとトークン――歴史の「物語」もまた経験的にテストされる

第2章:「言葉」としての系統樹――もの言うグラフ,唄うネットワーク

第1節:学問を分類する――図像学から見るルルスからデカルトまで

第2節:「古因学」――過去のできごととその因果を探る学

第3節:体系学的比較法:その地下水脈の再発見――写本,言語,生物,遺物,民俗……

第4節:「系統樹革命」――群思考と樹思考,類型思考と集団思考

インテルメッツォ:系統樹をめぐるエピソード二題

第1節:高校生が描いた系統樹――あるサイエンス・スクールでの体験

第2節:系統樹をとりまく科学の状況――科学者は「真空」では生きられない

第3章:「推論」としての系統樹――推定・比較・検証

第1節:ベストの系統樹を推定する――樹形・祖先・類似性

第2節:グラフとしての系統樹――点・辺・根

第3節:アブダクション,再び――役に立つ論証ツールとして

第4節:シンプル・イズ・ベスト――「単純性」の美徳と悪徳

第5節:なぜその系統樹を選ぶのか――真実なき世界での科学的推論とは?

第4章:系統樹の根は広がり続ける

第1節:ある系統樹的転回−−私的回顧

第2節:図形言語としての系統図

第3節:系統発生のモデル化に向けて

第4節:高次系統樹――ジャングル・ネットワーク・スーパーツリー

エピローグ:万物は系統のもとに――クオ・ヴァディス?

第1節:系統樹の木の下で――消えるものと残るもの

第2節:形而上学アゲイン――「種」論争の教訓,そして内面的葛藤

第3節:系統樹リテラシーと「壁」の崩壊

第4節:大団円――おあとがよろしいようで……



さらに知りたい人のための極私的文献リスト

あとがき

索引