「旧・蒼樹書房の本たち」



先日,旧・蒼樹書房から出た小林四郎『生物群集の多変量解析』(1995年4月10日刊行,蒼樹書房,ISBN:4789120538)に関する問い合わせメールがあった.2004年にぼくが〈蒼樹屋台〉を期間限定で店開きしていた頃だったら何とかなったかもしれませんが,いまはもう古書店をひとつひとつ当たる以外に入手することは不可能だと思います.ただし,オンライン古書店を少しまわったかぎりでは,残念ながら本書は現在まったく出まわっていないようですね.

もともと,蒼樹書房は廃業する時点で残っていた在庫をすべて断裁処分するという方針だったので,新古書みたいなかたちで古書店業界に流れることはありえないわけですから,品薄感は否めません.ですから,フツイマの『進化生物学』に「34,000円」とか,ソーバーの『過去を復元する』に「16,000円」,クレブス&ディヴィス『進化からみた行動生態学』に「26,000円」,マッカーサー『地理生態学』に「34,000円」というような,定価の4〜6倍にも達する度を越した“投機的古書価格”が付くことになります.

需要が多いようなら〈復刊ドットコム〉への働きかけをした方がいいのかもしれません —— と答えることにしよう.