『地震の日本史:大地は何を語るのか』

寒川旭

(2007年11月25日刊行,中央公論新社中公新書1922],ISBN:9784121019226



同じ著者の前著である『地震考古学』がとてもおもしろい本だったので,今回出た新刊も買ったのだが,もう17年もの月日が経っていたとは知らなかった.日本史をさかのぼり,古文書をひもときながら,縄文時代から現代にいたるまで時代を追って,日本を襲った数々の地震の記録を探し求める.上代は文字資料が乏しいので,遺跡に残された断層や液状化の痕跡から歴史を復元する.時代が下るにしたがって,しだいに文字記録が増えてくるが,思わぬところから意外な古文書が地震を語っていたりする.地震学でありながら,同時に歴史学・考古学でもあるところが「地震考古学」の魅力だ.