『非線形な世界』

大野克嗣

(2009年6月25日刊行,東京大学出版会,東京,xi+285 pp.,本体価格3,200円,ISBN:9784130633529版元ページサポートページ

【目次】
はじめに iii

第1章:非線形世界を見るとはどういうことか 1

1.1 線形系の特徴 2
1.2 非線形系の特徴 11
1.3 本質的に非線形な系 16
1.4 「世界を見る」とはどういうことか? 18
1.5 この本の構造 20
付1.5A フーリエの蒔いた種から 27

第2章:概念分析 —— 明晰な議論の前提 33

付2.0A 単純な正真正銘のカオスの例 37
2.1 典型例からの出発:カオスを例として 39
2.2 力学系についての準備 52
2.3 カオスを特徴付ける 59
付2.3A いろいろなカオスの定義 65
2.4 ‘歴史の量’はどうはかるか 67
付2.4A 測度とは何か,確率とは何か 70
2.5 情報をどう定量するか 76
2.6 測度論的力学系 80
2.7 カオスらしさをどうはかるか 84
2.8 ランダムさの特徴付けの準備 97
2.9 計算とはなにか? 102
2.10 チューリング機械 106
2.11 ランダムさを特徴付ける 111
2.12 カオスの本質の究極の理解 113
2.13 ランダムさの特徴付けはこれでいいのか? 120
2.14 「複雑性」はどう理解されているか 121
付2.14A 帰納可算集合帰納的集合 125

第3章:くりこみ —— 現象論と漸近解析 127

3.1 現象論とは何か? 129
3.2 意識されないほど普遍的な現象論 139
3.3 現象論はいかに得られるか —— くりこみとの関係 146
3.4 くりこみの二つの考え方 151
3.5 くりこみのいろは 153
付3.5A 次元解析 164
付3.5B 次元解析とくりこみ 166
3.6 長時間挙動とくりこみ:簡単な例 170
3.7 共鳴とくりこみ 176
付3.7A くりこみ的逓減 179
3.8 くりこみから見た統計 181

第4章:モデル化 —— 現象の記載と理解 185

4.1 モデルとは何か 186
4.2 モデルと現実との対応 189
4.3 記述の道具としてのモデル 196
4.4 論証の道具としてのモデル 202
4.5 モデル化事例 —— abduction の例 203
4.6 モデルがよいとはどういうことか? 214
4.7 モデル化の副産物 221

第5章:複雑性へ 231

5.1 意味と価値 233
付5.1A 複雑系は何でないか? 237
5.2 パスツール連鎖 239
5.3 基礎条件 244
5.4 基礎条件は何を導くか 251
5.5 複雑系にどうアプローチするか 257
5.6 「生物系の理論」はあるか 260
5.7 基礎条件はどう変化するか 262
5.8 複雑系の「教訓」 270


索引 277