『〔カラー版〕パタゴニアを行く:世界でもっとも美しい大地』

野村哲也

(2011年1月25日刊行,中央公論新社中公新書2092],東京,vi+182 pp., ISBN:9784121020925版元ページ

2008年にアルゼンチン北端のトゥクマンで開催された〈Hennig XXVII〉に参加したとき,歓迎パーティで供されたパタゴニアの白ワインが「Postales del Fin del Munde(地の果てからの便り)」という銘柄だった. 極東の日本から見れば地球の真裏にあたるパタゴニアはまさに地の果て.この新刊には,写真家である著者が撮った数多くの風景写真や生態写真が詰め込まれている.カラー新書という媒体のサイズが制約になっているが,冠雪した山々の写真がとりわけ美しい.それと南十字星の浮かぶ星空も.これだけ秀逸な写真の数々を目にすると,どこかで写真展でもやってくれないかと期待してしまう.