『「科学的思考」のレッスン:学校で教えてくれないサイエンス』

戸田山和久

(2011年11月10日刊行,NHK出版[NHK出版新書365],東京,299 pp., ISBN:9784140883655版元ページ

名古屋大学セミナーをしたときに,戸田山センセからいただいたもの.ざっと見た感じ,第 I 部に高座で使えそうなネタがいろいろ散らばっているようだ.どうもありがとうございました.なお,来年には,社会心理学を科学哲学に応用する共著本:戸田山和久他『心と社会を科学する』(2012年刊行予定,東京大学出版会)が出るとのこと.たとえば,David Hull(1988)は,科学の歴史的動態を考察しようとしたが,研究者個体群の動態モデルをきちんと論じてこなかった.動態仮説を検証する実験や観察ができないだろうか? 戸田山らは科学者の動態を「心理学的」に実験する意義を強調する.これまで科学哲学者は実験計画法の素養がなかったからこういう研究を手がけてこなかった.科学哲学は心理学と“離婚”して間もないために,まだ“憎悪”が渦巻いている.そういう状況を打破したいという野望があるらしい.