朝里樹(編)
(2018年1月17日刊行,笠間書院,東京, 500ページ, 本体価格2,200円, ISBN:9784305708595 → 版元ページ)
読了.三段にみっしり組まれた本書を毎晩の “ベッドサイド怪異本” としてひとつひとつ読み進んだ.さまざまなソースからよくぞここまで蒐めたと感心する.良書.とりわけ,綿密に蒐集された千を超える怪異譚を五種類のインデックス(五十音順・類似怪異・出没場所・使用凶器・都道府県別)によって整理している点が目に留まる.この整理によって単系統的な “怪異クレード” を見出すことはおそらく難しくないだろう.ワタクシがかつて完読した松谷みよ子(編)『現代民話考(全12巻)』(1985年〜1996年,立風書房)からも多数拾われている.それにしても筑波大学構内は “怪異譚” が破格に多いなあ.観音台のなろ城下町からはそーいう怪談の類はまったく拾われていないようだが,第二次世界大戦中はこの一帯は「谷田部飛行場」だったので,アヤシイ事物はなかったのかも.いまでは “人外” よりも “人” の方がはるかにコワいというのでは身も蓋もないが.