Frederick Burkhardt et al. (ed.)
(2021年6月刊行,Cambridge University Press[Series: The Correspondence of Charles Darwin], Cambridge,xlii+793 pp.,ISBN:978-1-108-83960-0 [hbk] → 版元ページ|Darwin Correspondence Project)
ダーウィン書翰集(CCD)の最新刊が1年前に出ていたことをうっかり忘れてしまい,今になって買い求めることになった.
本書簡集の第1巻が出たのは1985年3月で,ワタクシが学位を取得してそのまま定職のない “OD” として放り出された年だった.いま確認したところ東大農学部に届いたのは「1985年3月17日」と記されている(当時ワタクシは私蔵本にはロットリングで書いたラベルを裏見返しに貼っていた)ので,出版直後に購入したのだろう.
その後,ほぼ毎年1冊ずつ新しい巻が出るたびに律儀に注文書を出し続けてきた.「単純計算すればワタクシが定年になる頃に完結するのかあ」と遠いまなざしを向けていた.しかし,37年後の現時点から振り返れば実際そのとおりになりそうだ.
この第28巻は1880年なので,1882年のダーウィン没年まであと2巻を残すのみとなった.続く第29巻(1881)は今年9月の刊行予定だから,全巻完結のゴールはもう見えている.居室の書棚のかなり広いスペースが今やダーウィン書翰集の “占有地” となっている.巻によっては1000ページを超えて分冊になった年もある.
こういうタイプの本は通読するものではなく, “御神木” のようにつねに “定位置にある” ことにこそ意義があるとワタクシは確信している.