『ミクシィ[mixi]で何ができるのか』

山崎秀夫

(2007年1月15日刊行,青春出版社[青春新書Intelligence PI-164], ISBN:9784413041645



さくっと読了.SNSによる地域コミュニティや企業内コミュニティの立ち上げに関わってきた著者によるミクシィ案内.方々に社会心理学的あるいは進化心理学的なコメントが付されているのがおもしろい.近視眼的IT技術ではなく,心理学的な配慮と戦略が必要だという著者のメッセージが伝わってくる.

ぼくはミクシィ以外の SNS についてはまったく知識も経験も持ち合わせていないので,“ライバルたち”との相互比較のしようがない.著者のいう「相互依存的の自己」をもつ日本の社会では“もの柔らかな”SNSが流行するというのは正しい指摘かもしれない.

自己開示や認知要求あるいは抱き込み効果というような数多くの人間心理に関わる現象の存在を知った上でそれを使いこなしていくことは,もしそれができるのであれば望ましいのだろうが,大部分のユーザーはそうではないのだろう.