『Models in Paleobiology』

Thomas J. M. Schopf (ed.)

(1972年刊行, Freeman, Cooper & Company, ISBN なし)



修士に入って最初に読んだのがこの本だったというのは,今にして思えば意味深長だったのかもしれない.もちろん,ターゲットは Niles Eldredge & Stephen Jay Gould の断続平衡論の初出論文「Punctuated Equilibria : An Alternative to Phyletic Gradualism」(pp. 82-115)のひとつだけだった.今回,『本』の原稿書き用に久しぶりに開いてみたら,断続平衡論のこの章だけが地が黒く汚れていてびっしり書き込みがあるのに,他のページはみごとに真っ白だった.

前々から気になっていたのは,この論文集のタイトルにある「models」とは何を指しているのかという点で,この機会にそこのところを確認した.編者による序章(pp. 8-25)にはこう書かれている:「Generally, the term “model” is used to indicate a concept of lesser scope than a paradigm.」 —— このひと言でもう十分だ.