『読んでいない本について堂々と語る方法』

ピエール・バイヤール[大浦康介訳]

(2008年11月25日刊行,筑摩書房,235 pp.,本体価格1,900円,ISBN:9784480837165書評目次版元ページ

イッキに読了.お,おもしろすぎるっ! 目の前の本を読みもしないで(読む必要さえないと著者は言う),いかにしてその本を論評するか.本書に書かれた「心がまえ」を列挙すれば,「気後れしない/自分の考えを押しつける/本をでっちあげる/自分自身について語る」となる.すばらしいっ! こういう本が世に出てしまったからには,本を読まずにその本を語る輩はこれまでにもましてぞろぞろ出てくるにちがいない.それと同時に,彼らの化けの皮は騙るはしからずるずると剥けてしまって丸裸ということになる.こわっ! もちろん,本書に対する私の評価は「〈流〉◎」だ.←何のことか知りたければ読みましょうね.“読んでいない本書について堂々と語る方法”はどこにもない.