『イメージの網:起源からシエナの聖ベルナルディーノまでの俗語による説教』

リナ・ボルツォーニ[石井朗・伊藤博明・大歳剛史訳]

(2010年12月25日刊行,ありな書房,東京,8 color plates + 342 pp., 本体価格6,400円,ISBN:9784756610164情報版元ドットコム

【詳細目次】
カラー図版(i-viii)
序文 7

1. ピサのカンポサントのフレスコ画《死の凱旋》とドメニコ派修道会の説教 21

 1. 銘文つきのフレスコ画,もしくはある長い不運の歴史 21
 2. 俗語の説教の移動する境界 28
 3. 説教師の権威と砂漠のモデル 34
 4. 言葉とイメージ —— 受容の様態 39
 5. 俗語で語る声と,視線の質 50
 6. 現在と永遠 —— 「教訓説話」と「フィグーラ」の間で 57

2. 寓意と記憶のイメージ —— 『霊的対話』と「知恵の塔」のサイクル 61

 1. 境界の番人 61
 2. 『霊的対話』 —— 対話の場面における登場人物のゲーム 62
 3. 「高徳なイメージであなたの内部を飾りながら」 —— 寓意的イメージの構築 70
 4. 記憶のイメージ 74
 5. 観察し,解読すべきイメージ 76
 6. 「知恵の塔」のサイクル 88
  「知恵の塔」(Torre della Sapienza) 90
  系統図的概念図 91
   A. 系統樹(alberi)と尖塔 91
   B. 車輪 96
   C. 方形格子 99
  「生命の樹」 100
  ケルビム 105
 7. 『霊的対話』 —— イメージの用例集 106

3. 系統樹とその他の概念図 —— いくつかの使用例 117

 1. ピサの聖カテリーナ修道院とドメニコ・カヴァルカ 117
 2. ペトラルカと徳の系統樹 122
 3. ライモンドゥス・ルルスと遭難の物語 126
 4. 未来を記憶するために —— フィオーレのヨアキムの『形象の書』 132
 5. ヤコポーネ・ダ・トーディ —— 見るべき詩 137
  (a) テクストを構築するために用いられる概念図 138
   (1) 寝台(letro) 138
   (2) 系統樹(alberi) 140
   (3) 階段(scala) 143
  (b) 感覚的イメージの信号 146
  (c) 「使用規則」(istruzioni per l'uso) 152

4. シエナの聖ベルナルディーノ 161

 1. 万人向けのイメージ —— オトラントとアヴェラーラ 161
 2. シエナベルナルディーノ —— 鎮静の儀式のための技術 167
  A. 劇場化 168
  B. 都市の複雑さと「謙抑体」(sermo humilis) 171
 3. 隠された地図 174
 4. ケルビムと聖フランチェスコ 183
 5. 「描かれているのが見えるように」 —— 説教と都市の絵画 188
  A. 聖母被昇天と受胎告知 189
  B. 「善政と悪政」(Il Buono e Mal Governo) 194
  C. 世界地図(mappamondo) 200
  D. 四つの風 202
  E. 「生命の樹」(lignum vitae)と善良な盗賊 216
 6. 「敬虔な魂よ,熟考し観想しなさい」(Considera e contempla, anima devota) 219
 7. 驢馬,鴉と『阿呆船』(Das Narrenshiff) 229
 8. 誤ったイメージ,あるいは不可能な協働 239
 9. 「葡萄酒を飲む酔っぱらいのように」(Come el briaco che si mangia el vino) —— イエスの名前を携える板絵 241
 10. 刻まれたイメージ 255


原註 269


[解説]中世末期のイタリアにおけるイメージ・テクスト・「語り」(伊藤博明) 308


人名/作品名 索引 [342-334]