『ビールの自然誌』翻訳進行中

ロブ・デサール,イアン・タッターソル[ニキリンコ・三中信宏訳]
(2020年1月刊行予定,勁草書房,東京)

「文化構築物=生きもの」としてのビールの生態と系統進化を論じた新刊.原書:Rob DeSalle and Ian Tattersall『A Natural History of Beer』(2019年2月刊行, Yale University Press, New Haven, xii+242 pp., ISBN:9780300233674 [hbk] → 目次版元ページ

「文化構築物=生きもの」としてのビールの多様性と系統進化を論じた新刊.

『マツタケ:不確定な時代を生きる術』目次

アナ・チン[赤嶺淳訳]
(2019年9月17日刊行,みすず書房,東京, xiv+441+xxiv pp., 本体価格4,500円, ISBN:9784622088318版元ページ

『きのこのなぐさめ』は内省的な本だったが,この新刊は資本主義を超える “マツタケ世界論” かな.ワタクシ的には民俗生物学本と受け取れるけど.


【目次】
絡まりあう v
プロローグ 秋の香 3

第1部 残されたもの 19

1 気づく術 25
2 染めあう 43
3 スケールにまつわる諸問題 57

  幕間 かおり 71

第2部 進歩にかわって――サルベージ・アキュミュレーション 85

4 周縁を活かす 91

  フリーダム…… 109

5 オレゴン州オープンチケット村 111
6 戦争譚 131
7 国家におこったこと――ふたとおりのアジア系アメリカ人 149

  移ろいゆきながら…… 165

8 ドルと円のはざま 167
9 贈り物・商品・贈り物 185
10 サルベージ・リズム――攪乱下のビジネス 199

  幕間 たどる 209

第3部 攪乱――意図しえぬ設計 225

11 森のいぶき 231

  マツのなかからあらわれる…… 249

12 歴史 251
13 蘇生 269
14 セレンディピティ 289
15 残骸 309

  ギャップとパッチで…… 325

16 科学と翻訳 327
17 飛びまわる胞子 345

  幕間 ダンス 365

第四部 事態のまっただなかで 379

18 まつたけ十字軍――マツタケの応答を待ちながら 387
19 みんなのもの 399
20 結末に抗って――旅すがらに出会った人びと 415

  胞子のゆくえ――マツタケのさらなる冒険 425

マツタケにきく――訳者あとがき 431
本書で引用された文献の日本語版と日本語文献 [xix-xxiv]
索引 [i-xviii]

『海洋プラスチック汚染:「プラなし」博士,ごみを語る』目次

中嶋亮太
(2019年9月19日刊行,岩波書店[岩波科学ライブラリー・288],東京, vi+128+13 pp., 本体価格1,400円, ISBN:9784000296885版元ページ

ご恵贈感謝です.読売書評が掲載されたドノヴァン・ホーン『モービー・ダック』はまさに海洋プラスチック汚染問題を取り上げている.


【目次】
1 どこもかしこもプラスチック! 1
2 使い捨て文化――大量生産と大量廃棄 7
3 海に漏れ出すプラスチック 19
4 あなたもわたしも海洋プラスチックの排出者 31
5 プラスチックは最終的に海のどこにいくの? 45
6 行方不明プラスチックの謎 55
7 ディープ・インパクト――海洋生態系と人への影響 65
8 海にプラスチックを漏れ出させない方法 107

あとがき 127
参考文献 [1-13]

『伊藤野枝集』目次

森まゆみ(編)
(2019年9月18日刊行,岩波書店岩波文庫・青N128-8],東京, 441 pp., 本体価格1,130円, ISBN:9784003812815版元ページ


【目次】
I 創作 9
II 評論・随筆・書簡 159
III 大杉栄との往復書簡 331

注 391
解説 嵐の中で夢を見た人 —— 伊藤野枝小伝[森まゆみ] 405
伊藤野枝略年譜 433

『ホホホ座の反省文』

山下賢二・松本伸哉(著)
(2019年6月21日刊行,ミシマ社,東京, 207 pp., 本体価格1,800円, ISBN:9784909394224版元ページ

旧〈ガケ書房〉のイメージがかぶるけどだいぶ変容したようで,知らないうちに〈ホホホ座〉がかくも “自然増殖&全国展開” しているとは知らなかったなあ.

『自然は導く:人と世界の関係を変えるナチュラル・ナビゲーション』感想

ハロルド・ギャティ[岩崎晋也訳]
(2019年9月10日刊行,みすず書房,東京, 2 color plates + iv + 279 pp., 本体価格3,600円 → 版元ページ

読了.本書にまとめられた「自然を読みとる力」の数々は現代人の誰もが忘れかけている技能だろう.著者の言う「自然物によるナビゲーション」は,陸・海・空・星の自然物はもちろん,昆虫の巣や樹木の生育あるいは海鳥の頻度まで含め,五感を研ぎ澄ますことを狙っている.かつての先住民や探検家たちが用いたにちがいないそれらの技法は,現代のオリエンテーリングクロスカントリーにも通じる.

『アリストテレス 生物学の創造[下]』目次

アルマン・マリー・ルロワ[森夏樹訳]
(2019年9月17日刊行,みすず書房,東京, iv, pp. 293-586, 35, 本体価格3,800円, ISBN:9784622088356版元ページ

前著:アルマン・マリー・ルロワ[上野直人監修/築地誠子訳]『ヒトの変異:人体の遺伝的多様性について』(2006年6月9日刊行,みすず書房,東京,iv+320+lvi pp.,本体価格3,200円,ISBN:462207219X版元ページ)も印象的な本だった.


【目次】
ヒツジの谷 293
カキのレシピ 321
イチジク、蜜蜂、魚 341
石の森 387
宇宙 441
ピュラー海峡 503

補遺 561
 I アリストテレスの動物一二種と、六つの形態学的特徴のためのデータ・マトリクス 564
 II 胎生四足類(哺乳類)の栄養(troph?)摂取とその配分経路 566
 III 知覚と動作のCIOMモデル 568
 IV アリストテレスの心臓―肺の体温調節サイクル 570
 V アリストテレスの生活史データ――胎生四足類と鳥類 573
 VI 生活史の特徴間の関係を現代のデータを使用して図示 577

謝辞 579
訳者あとがき 583

図版について [33-35]
参考文献解題 [12-32]
索引 [1-11]

『アリストテレス 生物学の創造[上]』目次

アルマン・マリー・ルロワ[森夏樹訳]
(2019年9月17日刊行,みすず書房,東京, viii, pp. 1-291, 63, 本体価格3,800円, ISBN:9784622088349版元ページ

今あえてアリストテレス生物学! みすず書房,攻めてる攻めてる.


【目次】
エラトー書店にて 1
島 17
人智の及ぶところ 53
解剖 83
自然 109
イルカのいびき 139
道具 177
鳥の風 193
コウイカの霊魂 219
泡 259

参考文献リスト [52-63]
参考文献解題 [23-51]
用語集
 II 本書で言及された動物 [3-22]
 I 専門用語 [1-2]

『数論・論理・意味論 その原型と展開 —— 知の巨人たちの軌跡をたどる』目次

野本和幸
(2019年8月9日刊行,東京大学出版会,東京, xxii+705 pp., 本体価格14,800円, ISBN:9784130101356版元ページ

なにげに “必殺系” の700ページもの紙のカタマリ.ワタクシ的にはポーランド学派のタルスキが好きなんですけどね.


【目次】
まえがき――知の巨人たちの戦記物語 iii
凡例 xxi

序論 数論・論理・メタ数学の誕生と真理論・意味論の展開 1

第 I 部 論理主義の誕生と現代論理学の創始――デデキント,ブール-シュレーダーからフレーゲへ 37

第1章 デデキントの数論――論理主義の一つの出発点 39
第2章 ブール-シュレーダーの論理代数的論理主義 133
第3章 フレーゲの論理主義――「判断優位説」と「文脈原理」 149
第4章 ラッセルの論理主義と知識論抄 217

第 II 部 数学基礎論とメタ数学――ヒルベルトからゲーデルまで 227

第5章 ヒルベルト数学基礎論――メタ的形式主義への歩み 229
第6章 完全性前史――ポスト-ヒルベルト-ベルナイスとヒルベルトの問題提起 307
第7章 ゲーデルの完全性定理および不完全性定理への予示 327
第8章 不完全性定理の概要 347

第 III 部 真理・モデル・意味論の誕生と展開――タルスキの真理論とモデル理論 377

第9章 タルスキの真理定義――メタ理論の構築 379
第10章 内包的意味論の展開――カルナップ・チャーチ・モンタギュからクリプキ・カプランへ 517
第11章 直接指示,意味,信念 537
第12章 フレーゲ再考――意味・意義・真理 563

補論1 言語と哲学――言語的転回の射程 635
補論2 ことばと信念序説――デイヴィドソンとダメットを手引きに 654

あとがき 669

引用文献 673
事項索引 697
人名索引 703