『本の索引の作り方』目次

藤田節子
(2019年10月28日刊行,地人書館,東京, 171 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-8052-0932-5版元ページ


【目次】
はじめに 3

第1章 索引とは 17

 1. 索引とは何か 17
 2. 閉鎖型索引と開放型索引 20
 3. 索引と目次 22
 4. コンピュータによる検索との違い 23
 5. 索引の機能 26
 6. 索引を必要とする本 29
 7. 読者はどのように索引を使うか 31
 8. 索引の利用者は誰か 33
 9. 誰が索引を作るか 35
10. 索引の種類 37
11. 索引の歴史 38
12. 著作権 40

第2章 索引の構造 45

 1. 索引項目 45
 2. 見出し語 47
 3. 主見出し語と副見出し語 50
 4. 固有名詞の見出し語 54
 5. 所在指示 58
 6. 参照 62
 7. 凡例 71

第3章 配列 75

 1. 見出し語の種類 75
 2. 五十音順配列 77
 3. アルファベット順配列 80
 4. 数字順配列 82
 5. 所在指示の配列 83

第4章 レイアウト 85

 1. 概要 85
 2. 凡例 86
 3. 索引項目のレイアウト 86
 4. 索引項目が段や頁にまたがる場合 97
 5. 見出し文字 98

第5章 索引の作り方 101

 1. 索引作成のプロセス 101
 2. 事前確認 102
 3. 本の内容の把握 110
 4. 見出し語の選定 112
 5. 索引原稿の作成 119
 6. 改訂版の索引作成 120
 7. 事例 120

第6章 編集と校正 133

 1. 編集 134
 2. 校正 145
 3. チェックリスト 146

用語解説 153
参考文献 157
索引 161


『本の索引の作り方』着便

藤田節子
(2019年10月28日刊行,地人書館,東京, 171 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-8052-0932-5版元ページ

本の「索引づくり」に特化した日本語の参考書は本書しかないらしい.一昨年,この本が出版されることを知ってアマゾンの “お買い物かご” に放り込んだまますっかり忘れていた.ちょうど『読む・打つ・書く』の再校ゲラで索引項目ピックアップ作業の真っ最中で,ふと「そういえばアノ本があったなあ」と思い出して発注したら大当り.いままさに読むべき本であることが判明.

今まで自著の索引づくりは何冊もしてきたが,あらためて再考すべき点が多々あることがわかった.編集担当・校正担当・事実確認担当と同等の独立した専門職として「索引作成担当(インデクサー)」があるとの指摘は重要.ということは,索引づくりにはそれ相応の専門的な知識と豊富な経験が必要で,しろうとのマネごとではダメっぽい(orz).

本書が届く前に,同じ著者による論考:藤田節子 2018. 図書の索引作成の現状 -編集者と著者への調査結果から-.情報の科学と技術, 68(3): 135-140. 書誌情報pdf [open access] を読んでみた.冒頭にこんなことが書かれている:

「図書の索引は,図書の中のある一定の情報内容を持った部分を,付随的な部分と区別し,それに対する適切な見出し語と所在を示し,その情報内容に迅速にアクセスするシステムである。したがって,単に図書の文中の重要な語を配列し,その位置を示すリストではない.」(p. 135)

索引づくりはただの単語抽出ではない! さて,どうするか…….いきなり “索引づくり修行” が始まる気配だが,その時間はない(はず).とりあえず,『本の索引の作り方』の「索引」(pp. 161-171)とメイキング事例(pp. 122-126)をじっくり眺めているところ.

—— 視界の隅では真っ赤な The Chicago Manual of Style, 15th Edition がごそごそ蠢動している.お前も登場する気満々か.

『路上のポルトレ —— 憶いだす人びと』目次

森まゆみ
(2020年11月20日刊行,羽鳥書店,東京, 328 + iv pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-904702-83-3版元ページ


【目次】
はじめに 4

I こぼれ落ちる記憶 13

もう一人のモリマユミ ──西井一夫 15
朝の電話 ──藤田省三ほか 19
アメリカのセイゴさん 24
羽黒洞のおやじさん ──木村東介 29
ひらひらした指 33
震災でおもいだしたこと ──吉村昭 38
衿子さんの家で ──岸田衿子 44
センチメンタル・ジャーニー ──目賀田先生 49
狐につままれた話 54
本郷の畸人のこと ──品川力 58
「根津の甚八」伝説 63
いっそままよのボンカレー ──岡本文弥 68
大地堂の一筆 ──浅田良助 73
故郷忘じがたし ──沈壽官 78
海の切れはし ──森家の人びと 83
谷中墓地で会った方たち ──萩原延壽ほか 88
背中を流す 93
バーの止まり木 ──種村季弘 98

II 町で出会った人 103

木下順二さんのこと 105
谷中で戦争を語りつぐ会 108
弥生町の青木誠さん 111
町の兄い 岩崎寛彌さんのこと 113
建築史・門前の小僧 ──村松貞次郎ほか 117
元倉眞琴さんのこと 122
宇沢弘文先生の最後の言葉 125
横浜のお兄さん 北澤猛 127
サイデンステッカー先生の不忍池 131
解剖坂のKさん 134
ゆっくり知りあう ──小林顕一 137
高田爬虫類研究所 ──高田栄一 142
やっぱりオモシロイ平岡正明 149
集まってきた本たち 151
なくなったお店三つ(泰平軒、鳥ぎん、蛇の目寿司) 155
母の日によせて 160
ヤマサキという人 ──山﨑範子 165

III 陰になり ひなたになり 171

粕谷一希さんの支え 173
鶴見俊輔さんの遺言 177
温かい手のやわらかさ ──瀬戸内寂聴師 182
杉浦明平さんに聞く 186
風太郎大人との至福の時間 ──山田風太郎 196
彷書月刊』のあの頃 ──田村治芳ほか 200
すゞやかな文人 ──高田宏 209
倉本四郎の庭 211
きっとですよ ──大村彦次郎 215
信濃追分を愛した人 ──近藤富枝 218
花のような人 ──木村由花 223

IV 出会うことの幸福 227

上を向いて歩こう ──永六輔 229
活字遊びと恋の転々 ──岡本文弥 232
吉原に愛された人 ──吉村平吉 235
自主独立農民 佐藤忠吉 238
阪神間のお嬢さま ──脇田晴子 243
河合隼雄長官の冗談 247
わたしの知ってる矢川澄子さん 251
黒岩比佐子さんを惜しむ 257
旅の仕方を教わった人 ──紅山雪夫 259
古い友だち 佐藤真 264
同僚教員の村木良彦さん 270
ゆふいん文化・記録映画祭 ──土本典昭ほか 274
neoneo坐で会った萩野靖乃さん 277
松井秀喜選手とちょっとだけ立ち話 279
ジュリーのいた日々 ──沢田研二 281
樹木希林さんとの接近遭遇 286
九代目市川團十郎丈のギャラン 289
バングラディシュのマクブールさん 291
北上へ行ったジョン君 295
中村哲さんのたたずまい 297
わたしの病気を発見してくれた人 ──原田永之助 302

おわりに 322

初出一覧 324
人名索引 [ii-iv]
著者紹介 [i]


『現代語訳 流行性感冒:一九一八年インフルエンザ・パンデミックの記録』

内務省衛生局編[西村秀一訳]
(2021年3月刊行,平凡社,東京, 本体価格3,500円, ISBN:978-4-582-51336-3版元ページ

一世紀前の本でも “現代語訳” なんだあ(そうなんだあ).原本:内務省衛生局編『流行性感冒:「スペイン風邪」大流行の記録』(2008年9月10日刊行,平凡社東洋文庫・778],東京, 454 pp., ISBN:978-4-582-80778-3版元ページ).昨年4月に四半世紀ぶりに重版され,pdfでも一時公開された.

『ユリイカ2021年4月号:特集=鳥獣戯画の世界』近刊

(2020年2月1日刊行,青土社ユリイカ 53巻4号],東京, 本体価格1,600円, ISBN:978-4-7917-0381-4版元ページ

東京国立博物館で開催される特別展〈国宝 鳥獣戯画のすべて〉開催記念の特集.ワタクシの寄稿:三中信宏鳥獣戯画の体系学 —— 架空生物の分類と系統」.よりによって “学魔” さまと同じ「イマジナリーな生態系」クラスターとは……(滝汗).緊張のあまり “石” になりそう.

『ダークデータ:隠れたデータこそが最強の武器になる』目次

デイヴィッド・J・ ハンド[黒輪篤嗣訳]
(2021年2月28日刊行,河出書房新社,東京, 322+18 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-309-25420-3版元ページ

著者 David J. Hand は元英国王立統計学会会長.多変量解析が専門で,著者は多変量解析が専門で,むかしむかし1981年に出た彼のクラスター分析の著書:David J. Hand 1981. Discrimination and Classification. John Wiley & Sons, Chichester をワタクシは手にしたことがある.


【目次】
まえがき 9

第 I 部 ダークデータ――その原因と結果 11

第1章 ダークデータ――見えないものによって築かれている世界 12
第2章 ダークデータを見つける――何を集め、何を集めていないか 39
第3章 定義とダークデータ――何を知りたいか? 83
第4章 意図せぬダークデータ――言うは易く行うは難し 109
第5章 戦略的ダークデータ――つけ入り、フィードバックループ、情報の非対称性 125
第6章 意図的なダークデータ――詐欺と策略 151
第7章 科学とダークデータ――発見とはいかなる営みか 178

第 II 部 ダークデータを照らし出し、利用する 233

第8章 ダークデータに対処する――光を当てる 234
第9章 ダークデータの活用――問いをリフレーミングする 272
第10章 ダークデータを分類する――迷路を抜けるルート ダークデータの分類法 わからないことを明らかに 302

訳者あとがき 319
原註 [6-18]
索引 [1-5]

『教養の近代測地学:メフィストのマントをひろげて』目次

石原あえか
(2020年11月25日刊行,法政大学出版局,東京, 8 color plates + 358 + 13 pp., 本体価格3,500円, ISBN:978-4-588-35234-8版元ページ


【目次】
カラー口絵(8 pp.)

はじめに 紙の地図とデジタルの地図 9

 1 地図と近代測量 9
 2 陸地測量部から地理調査所への変身──国家機密と製図技術 12
 3 地図の変身──「陸測五万分一」地形図のその後 17
 4 地図を「読む」、地図を「作る」──本書執筆の動機 19

第1章 地図と戦争──軍用地図と外邦図の行方 27

 1 文・理が融合した豊かな地図の世界 27
 2 ゲーテと地図 32
 3 ヴァイマル公カール・アウグストと軍用地図 35
 4 国土地理院のドイツ軍用地図 39
 5 全国に散らばる外邦図 45
 6 比較対象として──戦後のドイツ測量機関の行方 48

第2章 地球儀と本当の地球──ベハイムの〈地球林檎〉とオイラーの予言 53

 1 地球儀の歴史──ドイツ語圏を中心に 53
 2 回転楕円体の地球と近代ヨーロッパにおける三角測量 63
 3 地球の姿から内部へ──地軸変動とオイラーの予言 72
 4 「柔らかい地球」のための国際緯度観測事業 76

第3章 水沢の緯度観測所──木村榮と宮澤賢治 87

 1 師走の風物詩──ベートーヴェンの『第九』とシラー 87
 2 緯度観測所設置前夜──麻布の東京天文台 92
 3 ヘルメルトとポツダムの王立測地学研究所 99
 4 田中舘の交渉と木村のZ項発見 105
 5 夏目漱石の苦言とZ項の謎解明 111
 6 『風野又三郎』と高層気象観測 115

第4章 ツァイス、ヴァンシャフ、バンベルク──ドイツ製望遠鏡からプラネタリウムまで 131

 1 ツァイスの望遠鏡──水沢の浮遊天頂儀 131
 2 カール・ツァイスと双子都市ヴァイマル/イェーナ 138
 3 ベルリンの専門工房──カール・バンベルクヴァンシャフ 142
 4 金星の太陽面通過──十八世紀からの国際天文観測プロジェクト 153
 5 「アルビレオの観測所」と現代の宇宙の三角測量 156
 6 ツァイスのプラネタリウム 164

第5章 日本水準原点とアナログ図化機──標高を知り、空から地上を撮る 181

 1 日本水準原点──高さを示す基準 181
 2 日本がお手本としたドイツ水準原点の歴史 187
 3 オランダお雇い技師リンドと東京湾平均海面 190
 4 銀板写真から航空測量へ 195
 5 ツァイスの一等図化機(ステレオ・プラニグラフ) 203
 6 ツァイスの傑作レンズ「トポゴン」と外邦図 210

第6章 変化し続ける地球──地震地磁気・重力 223

 1 近代までの大地震の記録と原因解明の試み 223
 2 世界初の地震学会設立と地震計 230
 3 濃尾地震地磁気計測──バートンの写真集『日本の地震』 240
 4 「重力点TOKYO–B」──重力と標高 252
 5 ガウスヴェーバーの電磁式通信 257
 6 地磁気逆転と〈チバニアン〉 266

第7章 続『劒岳』──南極大陸立山カルデラ 281

 1 〈日本アルプス〉と氷河 281
 2 『ファウスト』と小氷期──ゲーテの氷河理論 288
 3 厳寒の発見とゴシック小説『フランケンシュタイン』 299
 4 極地探検の歴史──文学作品や絵画を手掛かりにして 301
    その一 ナドルニーの小説『緩慢の発見』 301
    その二 ランスマイアーの冒険小説『氷と闇の恐怖』 308
    その三 立松和平の小説『南極にいった男』 310
 5 続『劒岳』──立山ガイドのその後 313
 6 もうひとつの立山──カルデラと砂防 319
 7 大規模崩壊地と「SABO」──赤木正雄のオーストリア留学 326
 結び──ゲーテ花崗岩 336

あとがき・謝辞 351
主要文献リスト [1-13]
主要人名索引 [i-vi]


『近代測量史への旅:ゲーテ時代の自然景観図から明治日本の三角測量まで』目次

石原あえか
(2015年9月25日刊行,法政大学出版局,東京, 9 color plates + viii + 259 + 75 pp., 本体価格3,800円, ISBN:978-4-588-37123-3版元ページ


【目次】
カラー口絵(9 pp.)

はじめに 1

 1 本書のねらい 近代科学史の一研究として 2
 2 調査の対象と研究方法について 7
 3 本書の構成 10

第1章 地球の形状と三角測量 17

 1 地球の真実の形状をめぐる議論 17
 2 モーペルテュイとラップランド測量遠征 22
 3 ペルー遠征隊のゆくえ その成果と再発見 28
 4 植物学領域での貢献 ジュシューとキナノキ 36
 5 カッシーニ三代とフランス測地図 42
 6 原初メートル ドゥランブルとメシャンのパリ子午線計測 44

第2章 テューリンゲン測量とミュフリング大尉 53

 1 パリとゴータ間の相互影響関係 ラランド、ツァッハ、ガウス 53
 2 ゲーテの『親和力』とミュフリング大尉 76
 3 ジャン・パウルの小説『カッツェンベルガー博士の湯治旅行』
    凛々しき登場人物・トイドバッハ大尉 82
 4 トランショとミュフリングによるライン地方地図測量 88
 5 ミュフリングとプロイセン測量 92

第3章 学術図版と自然景観図 95

 1 ゲーテヴァイマル自由絵画学校 95
 2 イェーナ大学専属絵画教師 101
 3 気圧計を用いた標高測定 114
 4 ゲーテ時代の自然景観図 139

第4章 江戸時代の日欧相互学術交流 161

 1 江戸時代の天文学 ラランドと天文方・高橋至時 161
 2 ナデシュダ号艦長クルーゼンシュテルンとサハリン
   あるいはゲーテと日本の間接的結びつき 172
 3 地質学者レオポルド・フォン・ブーフと日本の火山 183
 4 伊能忠敬の『大日本沿海與地全図』とシーボルトの『原図日本国図』 194
 5 アンナ・アマーリア公妃図書館所蔵の二枚のシーボルト
   ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公国の日本への飽くなき関心 216

第5章 日本におけるプロイセン式三角測量 223

 1 日本の三角測量の基礎を築いた田坂大尉 223
 2 日本アルプスの測量調査 241

終わりに 251

謝辞 256
注 [33-75]
文献リスト [7-32]
主要人名索引 [1-5]